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事例062 認知症事故賠償訴訟から思うこと

認知症の男性が電車にはねられ、死亡した事故を巡る裁判。
JR東海は振替輸送などにかかった費用などの賠償を家族に求める裁判を起こしました。

1審2審はいずれも家族に監督義務があるとして賠償を命じていましたが、3月1日の判決で最高裁判所は、家族の賠償責任を認めない判決を言い渡しました。


この判決が出る前には、もしも家族に監督責任があるとされてしまったら、、、と、様々な見解があり注目されていました。家族は責任を負わないように、認知症の本人を拘束したり、家に鍵をかけて出られなくしたり、薬を使って行動を制限したりするような方へ行動が傾くのではないか、と懸念されていました。

しかし、今回の判決は、 認知症のある人を介護する家族にとって、地域で共に暮らし続ける為の安心に繋がることになったと思います。

少子化によって親を看る家族が減っていることや、核家族化により親と離れて暮らしている家族が増えている現状を考えると、このような事故が起きない為の対策は家族だけの問題ではなく、地域や社会の取り組みとして考える必要があるのですが、それを世の中に広めるきっかけになった気がしています。


厚生労働省によると認知症患者は現在、全国で520万人いるとも言われています。団塊の世代が全て75歳以上になる2025年には、700万人に達すると言われています。

また、国土交通省によると、昨年度の認知症の人が関わったとされる鉄道事故は29件、22人が亡くなっているそうです。
認知症の人の数が増えるということは、事故が増える可能性があると想像出来ます。


この裁判の判決は、ニュース速報が流れたことから見ても、関心・影響の大きいものだったと言えます。


国の法制度や自治体の取り組みなど、社会全体で新しい仕組みづくりを作って行くことはもちろんですが、私たちにだって出来ることがあります。

それは、あなたの近くにいるであろう<介護をしている家族>を、孤立させないように支えて行くことではないでしょうか。何かあったら私が側にいるよ、という意思表示が大切だと思っています。

そして、そう思える人を増やして行きたい。
それが、介護デザインプロジェクトのテーマです。
この裁判の判決を通して、改めてそのことに気づかされました。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  03 2016 08:00
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