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事例054 ヤングケアラー

10代〜20代前後の若いうちから介護者(介護を行う立場)となった人を、「ヤングケアラー」と呼ぶそうです。

そうなった経緯には、親や兄弟が若いうちに病気になったことだとか、核家族化/少子化で家族を看る者の数が少くなっていることなど、様々な理由があります。

若くして親を看る立場になると、介護をしていることで時間が縛られてしまったり、周囲からの理解が得られなかったりすることで学校・仕事・結婚などで上手く行かないこともあるようです。

さらに、若いからこそ病気に対して現状を受け入れ難かったり、友人などと比較してしまったりして精神面でも辛いことが多いようです。


私の勤務していたデイサービスでもこんな家族がいました。

お父さんが若年性認知症、昭和30年生まれ。

病気がわかる前から「オレ、なんかおかしいんだよ。」と奥様に話していたそうです。
大手企業に勤めていたのですが小さなミスが多くなり、会社から奥様に、「最近仕事の様子がおかしい」、と連絡が入ったのがきっかけで病院を受診したそうです。

進行が早いのが特徴の若年性認知症。
言葉が出てこなかったり、今までやっていたことがわからなくなったり、あっという間に仕事をするような状況ではなくなってしまい、休職という形になりました。

奥様と息子、娘との4人ぐらし。
奥様だけで全てを看るのは難しく、20代前半の子供たちも介護をすることになったのです。

お父さんは、息子さんには厳しかったようです。
そういったこともあり、息子さんは父が病気だと言われても、これまでの親子関係から反発心を拭うことが出来ず、父のよくわからない言動に苛立ち、喧嘩が絶えない状態でした。

困り果てた奥様が、地域包括センターやケアマネージャーさんに相談し、日中だけでも家族に休息の時間を持ってもらおうと、私の働くデイサービスを利用することになりました。

お父さんがデイサービスに通っている間に、自分たちの時間を持つことが出来、さらにサービスを利用したことで、デイサービスのスタッフやケアマネージャーから介護の基本を少しづつ学び、お父さんの言動への理解を深めていきました。

息子さんもはじめは喧嘩ばかりしていたけれど、不器用ながら徐々に理解して来ている様子でした。
奥さんが出来ない時は子供たちが、というように家族のつながりが出来始めていました。


ヤングケアラーはこれからますます増えていきます。
介護=高齢者というイメージを取り払って、どんな人でも気軽に悩みを話したり相談出来る場が必要なずです。

若い方たちにも介護のことを正しく理解していただきたい、そのための一助となれるように、2016年も介護デザインプロジェクトの活動を広めていくと年頭に決意しました。

ちなみに、昨年コンビニのローソンが『マチの健康ステーション』として、”ケアローソン”をオープンしたそうです。
普通のコンビニの一角に、ケアマネージャーや相談員が常駐するスペースがある、という店舗です。
陳列されている商品も、通常の商品に加えて、介護用品も取り揃えている、ということです。

ふと立ち寄ったところに必要なものがある。
いつも利用するところだからわざわざ足を運ぶ必要がない。
ケアローソンには、そんな気軽さがあり、良いなと感じました。

「何か変だな。」「もしかして?」と思った時。
突然のことで、どうしようも無い時。
もし、親に介護が必要になったら…と思った時。

あそこに行けばいいんだ!と思えるか思えないか。
そういう事前の安心こそ、これからの暮らしを支える一つの要素になるのではないでしょうか。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  07 2016 08:00
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