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事例050 仕事の風景

私の勤務していたデイサービスは、有料老人ホームに併設されており、たまに大ホールに集まり合同でイベントを行うことがありました。

そんな時は、有料老人ホームに入居しているおじいちゃんAさんが、いつもデジタルカメラを持ってイベントの写真を撮ってくれていました。


ある日、地域のコーラスサークルのグループが歌いに来てくれることになり、私が司会を担当することになりました。Aさんは、いつものようにデジタルカメラを持って早々と写真が取りやすい席を確保します。

イベントの最中、Aさんは様々な角度から写真を撮り続けています。
たまに、コーラスサークルとは全然違う方向にカメラを向けていたりして、観客の方まで気を使って撮ってくれているのだなぁ、と思っていました。
イベントが終わった次の日、Aさんは早速撮った写真をご自分でカメラ屋さんまで行って、プリントして来たものを私に持って来てくれました。

「コーラスの皆さんと職員さんへ」と言って。


職員さんへ?と不思議に思いながら中を見てみると、コーラスの方の写真の他に、見守りしている職員一人一人の写真が入っていました。職員数人がまとまって写っている写真は、写っている全員に渡るように人数分プリントしてありました。

カメラをステージに以外に向けていたのは、職員を撮っていたのですね。


あらためて写真のお礼を伝えに、Aさんの所へ。
私が「職員の分までありがとうございます。」そう言うと、
Aさんは「いえいえ、皆さん自分が働いているときの顔や様子ってあんまり見たことないでしょ。」

と、こんな答えが返ってきました。


Aさんの言葉を受けて、写真をまじまじと見返してみました。
利用者の隣に座って手を叩いて一緒に楽しんでいるスタッフもいれば、眠そうに突っ立ってるスタッフ、スタッフ同士で話をしている様子など様々でした。

私はと言えば、次の司会に何を話そうかと真剣な顔で資料を見つめている様子が撮られていました。
なんて怖い顔をしていることでしょう。


もらった写真をみんなで見ながらそれぞれに反省したのでした。

Aさんの写真の件から、何となく仕事をしている自分のことを客観的に見れるようになった気がしています。今、自分はどんな顔してる?どんな風に見えている?それを意識するだけでも、人に対する印象を変えたり、自分の気持ちをリフレッシュ出来たり、場の雰囲気を変えたり出来るものなんですよね。


皆さんも、少しだけ意識してみて下さい。
普段気がつくことが出来ない自分を見つけられるかもしれません。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  10 2015 08:00
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