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事例047 チームケアの原点

最近、介護施設で働く友人から、こんな話を聞きました。

20歳の若い女性スタッフが新しく入って来たそうですが、どうやら料理が苦手なんだとか。
友人の施設はグループホームなので、食事は入居者の皆さんにも手伝ってもらいながら、スタッフで持ち回りで作ります。

しかし、その新しいスタッフが食事担当の日は、簡単な食事も作るのに手間取り、時間が遅くなったり、その間の見守りがおろそかになって事故を起こしてしまったりと、落ち着かない雰囲気が流れていたのだそうです。

そんな彼女に向かって、一緒に働くベテランスタッフが、「そのぐらいなんで出来ないのよ、料理ぐらいお母さんに教わって来たらどうなの?」と、きつく言葉をかけたところ、次の日には、「体調不良で、休みます。」と連絡が来て、そして、ついには無断欠勤するようになってしまったのだと。


確かに最近、私の働いている施設でも、食事作りに関してこんなことがありました。
それは19歳の実習生の学生さんだったのですが、「カレーを作ったことありません、だから市販のルーの溶き方がわかりません」「果物の皮を剥いたことがありません」と。
驚きましたが、これも勉強です。
見本を見せて、ゆっくりでいいからやってみて、と体験してもらいました。

今はスーパーでも、冷凍食品やレトルト食品などの温めれば食べられるものがあったり、カット野菜やカットフルーツなどの手間を省いた食品が並んでいます。そんな世の中で育ってきた彼女らに、「なんで出来ないのよ。」とは、言えない気がしています。


介護の仕事は、何もトイレ介助やお風呂介助、食事介助などの身体的な介助だけではないのです。
料理に限らず、掃除や洗濯などの家事仕事全般の知識も必要です。

人の暮らしのお手伝いをするわけですから。


学生のうちからそのことを理解してもらいたいとも思いましたし、若いスタッフの芽を潰してしまうことなく、必要なことを教えられる仕組みを施設ごとに気づくことができたらいいのに、と思っています。何を学ぶことが必要なのかを理解してもらう、気付いてもらうのも先輩の役目でもあるように思います。


それに、私たちが教えるまでもなく、入居者の方から教えられることも沢山あります。
「年の功」「おばあちゃんの知恵袋」みたいな昔の知恵を学んでこそ、今の世の中の便利さや新しさが身に染みるような気もします。

介護の職員不足がより一層叫ばれている昨今、志あって入職してきたスタッフを、心ないほんの一言で失ってしまうのはとても残念です。
それぞれの苦手や困難をフォローし合ったり、上手くいく方法を教えあったりしながら、業務の質と個人のスキルを高めていける職場が築けると良いですね。

Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Fri,  20 2015 16:38
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