介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信中。

メニュー

事例045 何の催し物ですか?

10月31日、ハロウィンの日。

近くの保育園児が可愛い仮装をして、グループホームを訪ねて来てくれます。

「今日はハロウィンです!子供たちが可愛い格好で遊びに来てくれますよ!」

そんな話をしながら、ホームの外に長椅子を出し、日向ぼっこしながら、園児が来るのを入居者のみなさんと待っていました。

すると、その中の90代のおばあちゃんが一言、
「あのー、これはいったい、何の催し物ですか?」

えっ?ここまできて?と、みんなが笑います。


私  「ハロウィンですよ」

おばあちゃん  「カロリー?」

私  「いやいや、ハ、ロ、ウィン」

おばあちゃん  「あー、か、ろ、りんか。」

私  「いやいや、ハローのハロ。ハロウィン!」


なんて、ご長寿クイズのようなやりとりがあって、皆大笑い。

おばあちゃんは子供たちが来ると聞いて、外に出たはいいけれど、いったいなんで?
カロリーってなに?とずっと考えていたようでした。

私「外国からきた催し物でね、秋の収穫祭なんですよ。悪魔払いでもあり、お祭りでは子供たちが“お菓子をくれないと悪さしちゃうよ!”って言いながら、仮装をして地域を練り歩き、お菓子をもらうんです。」

と、ざっくり説明。

おばあちゃん「へぇー。わたしらの時代はそんなのなかったわ。」

周囲のおばあちゃんたちも、うなずいています。


すると、隣にすわっていた、北海道生まれのおばあちゃんが、

「北海道では、そういうのは七夕にやったもんなんだよ。“ローソクもらい”って言ってね。子供たちが“ローソクだせ〜出さないと引っかくぞ〜”っていいながら家を回って、お菓子とかお金をもらうのよ。なんにも出さなかったり、少なかったりすると。ケチンボって言われるのよ。」

北海道に似たようなご当地の風習があるとは、誰も知らなかったようです。


そんな話をしているうちに、園児たちが手をつないで歩いてやってきました。
カボチャの帽子をかぶった子、お姫様のドレスを着た子、スパイダーマンのタイツを着た子、などなど様々に可愛らしい格好で来てくれました。

おばあちゃんたちはそれぞれに、頭をなでたり、まじまじと衣装をながめたり、握手をしたりしながら交流を図っていました。
施設で用意した、ラムネをおばあちゃんたちからもらうと、喜ぶ子供や、初めての交流に緊張して固まっている子供がいたりとそれぞれで、おばあちゃんたちは、優しく話しかけます。

イベントが終わった後、北海道生まれのおばあちゃんは「懐かしかったわー、昔を思い出したわよ」と、嬉しそうに話してくれました。
「カロリーってなに?」と言ったおばあちゃんは、「もう終わっちゃうの?」と、名残惜しい様子で、子供たちの後を見送っていました。


ハロウィンは、日本発祥のイベントではありませんが、似たようなイベントが昔から日本にもあったことを思うと、地域交流が少なくなって来た現代だからなお、価値のあるイベントのような気がしています。

昔からのお祭りや風習は、根ざした地域によって形を変えます。
ハロウィンも、日本なりに今の時代に合った楽しみ方が出来るといいですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  05 2015 08:00
  • Comment: 0
  • Trackback: closed

0 Comments

Post a comment