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事例029 おかげさま

ある建具店を営む男性と、ある地域のイベントの打ち合わせで話をしていました。

途中、その男性の携帯電話に電話がかかってきました。
「……はいはい!じゃぁ、今日の昼頃伺いますね!」

通話が終わったあと、私が「お仕事ですか?」と聞くと、「違うんですよ、一人暮らしのおばぁちゃんからです。」とのこと。

私「え?知り合いですか?親戚ですか?」
男性「実はね…一度、その方の家の大きな修理を頼まれたことがあるんですよ。古い家だから、電球の取り替えとか、細かいことをやってほしいことがたくさんあったらしいけど、一人暮らしだから、自分一人じゃ出来ないけど、こんなことで息子たちにいちいち連絡するのも…って、我慢して暮らしていたようなんですよ。家の修理に伺った時に、その話を聞いたから、修理のついでに仕事としてではなく、色々やってあげたんですよ。」

私「それからのお付き合いですか?」
男性「そうです。何か困ったことがあったら、連絡をくれるんです。息子さんは近くに住んでるらしいのですが、私に連絡が来ます。あ、でも今回の電話は、困りごとじゃなくて、いつもありがとうって、みかんを私にくれようとしているんです。とりに来て下さいっていう電話です。」
私「頼られ過ぎることはないですか?」
男性「私も出来る範囲でやってますし、一人暮らしじゃ、放っておけないですからね。ちなみに、息子さんは、私と同い年らしいですよ。」
私「そうですか、おばあちゃんはそのおかげで、安心して一人暮らし出来ているんですね。息子さんのように思っているのかもしれないですね。」
男性「うちの店は、地域で70年近くやらせてもらってます。本当に、おかげさまなんですよ。だから、地域の人の困りごとにちょっとだけ寄り添ってるだけです。こんなことがあってもいいかな、なんてね。」

打ち合わせの後、男性は、おばあちゃんの家に向かいました。

お店が長くやって来れているのは、地域の皆さんのおかげ。
その男性の感謝の気持ちが、一人のおばあちゃんの暮らしを支えている。

地域ならではの支え合いがそこにありました。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  16 2015 14:14
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