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事例集023 やりたいことはありませんか?

私たち介護スタッフは、常日頃から、お年寄りの皆さんが残りの人生に、何を望んでいるのか、知りたいと思っています。

例えば、入居されている方であれば、「日々穏やかに過ごせたらそれでいい…」
デイサービスの利用者であれば、「元気に通えるように健康でいたいわね」
私たちから、「何かやりたいことや行きたい場所など、希望はありませんか?」と聞くと、「特別これっていうのはないわね…」と、大概こんな答えが返ってきます。

介護士としては、ここからが本領発揮ですね!
私が勤務していた施設では、日々のコミュニケーションを最も重視していました。
どんな些細な会話でも、そこから、必ず、生きるために必要な、希望や叶えたい夢のヒントがあるんです。

例えば、喫煙する方が、喫煙所でスタッフに話した昔話。

スタッフ「禁煙したことありますか?」
利用者 「ないねー。高校からす吸ってるからね。」
スタッフ「え?高校ですか?不良少年でしたね!」
利用者 「あの頃は、かっこつけてさ、学校の裏で吸って、良く先生にみつかって怒られたもんだよ。だからみんなで海の近くの灯台に良く集まって、タバコ吸いながら悪さ考えてたもんだよ。あの頃の奴らはみんなどうしているかな。灯台にでも久々に行ってみたいもんだよ。」
スタッフ「その灯台は遠いですか?」
利用者 「ここから高速を使えば、2時間ちょっとくらいかな…夜なら俺は下道をぶっ飛ばしちゃうけどね!」
スタッフ「今度みんなで行ってみませんか!?」
利用者 「いいね!最近なかなか行けないからさ。案内するよ!」

この話があってから、デイサービスの企画で、遠足と題して、その方の懐かしの灯台にみんなで行きました。ご自分の昔話や、周辺の名所など、道中に生き生きとお話しするご本人様の様子が忘れられません。

また、新聞に挟まっているチラシを見ていた時に。

スタッフ「今日は金曜日だからチラシが多いですね!」
利用者 「見てこれ!こんなに!やっぱり目を引くのは食べ物のチラシよね。(回転寿しのチラシをみせながら)」
スタッフ「おいしそうな寿司!そう言えば、○○さん回転寿しって行ったことあります?」
利用者 「ないわ。テレビとかでは見たことあるけど、うちではあんまりそう言うとこ行かないから。」
スタッフ「行ってみたいですか?」
利用者 「そうね!ここで連れて行ってくれるかしら?お金は出すからさ!この歳になってもまだやったことないことってあるものね!」
スタッフ「じゃあ、今度のお昼ご飯は、みんなで回転寿しに行きましょう!」

と、近くの回転寿し屋さんのテーブル席を予約して、みんなで食べにいきました。
お茶を入れるところから驚きだったようで、お寿司の皿を取るのも、おそるおそるでしたが、みなさん楽しみながらのお昼に満足して頂けたようでした。

日常生活の会話から、やりたいことや希望を引き出し、楽しみを持って生活して頂く。
施設でも、自宅でも出来ることですね。

一人の希望が、周囲の家族や他の利用者・入居者に広がって楽しみを共有出来ることで、コミュニケーション輪も広がっていくような気がしています。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  04 2015 08:00
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