介護デザインプロジェクト

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介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

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事例262 夫の遺品のネクタイ50本

施設に入居している80代の女性Aさんのエピソードです。
Aさんのお部屋には大きな額縁があり、そこにはカラフルで素敵なパッチワークが飾ってありました。
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ある日、たまたまその額縁の話になり、Aさんの想いを聞くことが出来ました。


「あのパッチワークは大きくていろんな色が使ってあってとても素敵ですね。ご自身で作ったのですか?」

Aさん
「そう私が作ったの。これまでの中で一番の力作よ。ひとつひとつに思い出があるの。」


「ひとつひとつって、いろんな色の生地のことですか?」

Aさん
「そうこれね、ネクタイなの。亡くなった主人の。
息子と一緒に、主人の遺品を整理していたら、ネクタイが50本以上も出てきたのよ。すごいでしょ。主人はサラリーマンで、ネクタイにはいつもすごくこだわりがあったの。まぁ、いつもスーツだから、そのぐらいしかこだわるところが無かったって言えば、そうなんだけど。

主人のことを思い出してしまって捨てられずにいたら、息子から、そんなにネクタイ残してどうするんだよ、俺は普段は使わないし、捨てちゃいなよ。って言われてしまって。
でも、どうしても捨てられなかったの。
で、友達に相談したら、その友達がパッチワークの教室をやってる先生で、ネクタイの様々な色や柄はパッチワークにいいのよって教えてもらったの。
それから友達から教えてもらいながらコツコツ作ったの。
一番端の緑の生地は、息子が学生の時に父の日に贈ったネクタイ。隣のストライプのものは勤続30年で会社の仲間からもらったもの。その隣の白いのは冠婚葬祭の時に使っていたもの。たくさん思い出が詰まっているの。

捨ててしまったらそれまでだけど、こうやって飾っておけると主人がそばにいるような気がして、施設に入っても寂しくなかったわ。
息子も、こんな思い出の残し方があるんだね、って驚いていて、欲しいって言われたから、余った生地で小さい額縁に入れて作ってあげたわ。」

衣類などを小物にリメイクする方法などはよく見聞きしますが、ネクタイのパッチワークを見たのは初めてでした。
以前、このブログでは庭の柿の木を処分する際に、それを染料に染物を作った方の話を紹介しましたが、思い出を形にする方法は様々だと思います。

思い出が形になり、それが家族で共有できるというのはいいことだな、と思っています。

Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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