介護デザインプロジェクト

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事例252 両親が大切にしていた柿の木を染物に 

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ご両親が亡くなり、実家を処分することにしたという50代Aさんのお話です。

建物の処分はもちろん、実家には広い庭があり、そこに育っている庭木の処分も同時に行うことになりました。
しかし、Aさんにはどうしても気掛かりなことがありました。

それは、小さい頃から見てきた庭の柿の木です。
両親がとても大切にしていた木で、祖父母の代から育ててきたそうです。

その木を見ると、小さい頃に柿の木に登って遊んだ思い出や、祖父母や両親が野鳥が来ると喜んで、餌をあげている姿が思い浮かび、ただ処分してしまうことにとても抵抗があったと言います。

どうにか思い出として残しておける方法はないかと考えましたが、Aさんはもちろん兄弟親戚も、大きな柿の木を植え替えられるほどの庭は持っておらず、写真をとっておくくらいかな…と思っていたそうです。

ある日、テレビを見ていると、隣町の染物工房の特集をやっていました。
そこに、柿の木の思い出を残すヒントがありました。

テレビの特集では、桜の木を使ってストールを染める方法を実演しており、出来上がりが淡いピンクでとても綺麗だったそうです。
最後に工房の職人さんが、「染物は、季節の草木や葉っぱ、果物の皮などを使って、自宅でも出来る」と話していたことを聞いて、Aさんは、これだ!とおもったそうです。

インターネットで調べて見ると、材料や染め方が詳しく載っていました。
早速、柿の葉を使って、試作としてハンカチを染めて見る事に。

材料や染めに適した生地などは、近くのホームセンターやホビーショップで手に入りました。
そして実家の柿の木の葉を集め、煮詰めることからスタートしました。
意外に、その日のうちに出来上がり、柿のようなオレンジな色にはならないものの、綺麗な黄色に染まりました。

それを兄弟やお嫁さんたちに見せるとものすごく感動して、やってみたいと話してくれたので、実家を壊す前にみんなで時間を合わせて実家に集まって染物会をやろうという事になりました。

当日は、兄弟やお嫁さんやその子供たちもみんなで集まって、染物会がスタート。
それぞれに、ストールや手ぬぐいなど染めたい生地を持ち寄りました。

途中、休憩時間にみんなで居間に集まって、「こうやって集まるのも去年の葬式ぶりだね。」といいながら思い出話に花が咲き、Aさんにとって、そんな時間も貴重な時間だったと言います。
染物の出来上がりは、同じ木から取った材料なのに、染める時間や生地の素材によって微妙に色合いが違うところも素敵だったと言います。


Aさんは
「よく遺品整理なんかで、昔着ていた着物をバックや小物にリメイクするという話を聞いたことはありましたが、ものが木なもので、どうしたら思い出に残せるかをずっと考えていました。いろんな方法があるとは思いますが、染物もいいものですよ。

両親が大切にしていた実家も柿の木ももうありません。でも、兄弟たちはあの時みんなで集まって作ったそれぞれの染物を大切にしています。
それに、いまだにあの時は楽しかったね、と集まったことをいい思い出にしてくれています。
私はあれ以来染物にはまってしまい、玉ねぎの皮とかみかんの皮とか、でやってみたりしています。やるたびに違う色合いが出て、面白いですよ。」


大切な思い出を残す方法はいろいろあるものですね。
最近は子供が実家を継がないという場合や、老後に広すぎるマイホームを売る、という場合なども増えているそうです。庭の草木を処分しなければいけないこともあると思います。
その中にはきっと思い出ものもあるでしょう。

染物として残すという方法も、一つの案として考えて見るのもいいかもしれませんね。
Aさんやその兄弟のように、これを機会にみんなで集まる時間があっても素敵ですね。
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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