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事例集019 新しいレクリエーション

高齢者施設でのレクリエーションには音楽を使ったものがあります。
それは音楽療法だったり、カラオケだったり。
多くが懐かしの曲を選び、知っている曲を楽しむスタンスです。
歌を歌うことは心肺機能を高めたり出来ますし、懐かしい歌は過去を回想できる効果があります。

そんな音楽レクリエーションの、私の中の常識を覆すレクを教えてくれた先輩女性スタッフを紹介します。

先輩は60代でしたがとてもアクティブで、休みの日にはジムに通ったり、展示会や博物館に行ったり、とにかく外出しています。さらに新聞や雑誌、ニュースを良く調べており、常に施設で使えるレクリエーションや話題を見つけながら過ごしている方でした。

ある日、体操の時間に施設では聞き慣れない音楽が聞こえてきました。
ジャンルで言うとヒップホップです。

(え?ヒップホップ?)と思いながら聞いていると。

「皆さん、今日は少し若者の世界を感じながら体操をしましょう!皆さんの若い頃にはなかった音楽のジャンルに、ヒップホップというジャンルがあります。若者に人気のジャンル、とてもテンポが良いので、リズミカルに身体を動かすことが出来ます。まずは、縦ノリです!椅子に座ったまま、少し足を開いて、両手を腿の上において、身体を前に倒し、腕の力で持ち上げて身体を縦に弾ませましょう!」

(え?縦ノリ!?)

先輩が手本を見せながら、数十人のおじいちゃんおばあちゃんが、一斉に縦ノリします。
初めて見る光景でしたが、皆さん初めて行う動きに、真剣に取り組んでいます。
ダンスやエアロビクスの要素を取り入れた動きをヒップホップをBGMに行う体操は、初めて見ました。

またある春の日は、今日は、「さくら、という歌を歌いましょう!さくらと言っても、皆さんがご存知の唱歌ではなく、この時期にテレビやラジオで良く流れる、若者の歌です。」と言って聞かせてくれたのは、森山直太朗の「さくら(独唱)」。

先輩は、皆さんに見やすい文字の大きさの歌詞カードを渡します。
そして、一行一行のメロディーを、練習していきます。
Aメロまで完成したら、カラオケに合わせて歌い、Bメロ練習、カラオケ、サビ練習、カラオケ…
と繰り返し、最後まで言ったら、一曲丸々を、通しで歌って完成です。

まさか、おじいちゃんおばあちゃんと、森山直太朗を合唱するとは思いませんでした。

先輩はこう言います。
例えば、子供や孫と暮らしていたりして、テレビで流れたり、家族が口ずさんだ流行の歌を、おじいちゃんおばあちゃんが知っていたとしたら、びっくりするじゃない。そして、みんなが嬉しいと思うの。

知ってる歌やなじみの歌を懐かしむのも、もちろんすばらしいけど、時代の流れに乗っている自信が生きる力になったり、音楽で家族とのコミュニケーションが出来たとしたら、最高よね。

この先輩と出会ってから、私のレクリエーションへの意識が前向きに変わったような気がしています。レクリエーションの幅が広がり、考える楽しみも倍増しました。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  07 2015 08:00
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