介護デザインプロジェクト

このブログでは、
介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

カゾクロ オンラインショップ

事例241 災害時の出来事から

032b747959703e0dd57cea30c5630685_s.jpg
台風15号の被害がテレビなどで多く報道がされる中で、
高齢者施設での停電、断水についてを伝えるものがありました。

様子を見ていて、東日本大震災の時のことを思い出しました。

当時、私が務めていた認知症対応型のデイサービスのある街でも、断水が起こりました。
デイサービスはその日から1ヶ月、営業中止となりました。

地震当日、デイサービスを利用していた利用者はどのようになったかというと。
家族と同居している利用者は家族がご自宅にいることを確認した上でお送りしました。
しかし、単身で暮らしていた利用者は、断水が起こったことや計画停電が起こることを説明しても認知症の症状のためすぐに忘れてしまうため帰す訳にはいかず、併設の有料老人ホームの多目的スペースに布団を敷いて宿泊してもらうことにしました。

ある方は重度の物忘れのある方で、今話したことを5分と覚えていることが出来ません。
一人暮らしも難しくなってきていました。

大きな地震が起こったこと、断水や計画停電が行われること、状況がおさまるまで宿泊することを何度も説明しました。

夜、納得して布団に入りますが、夜中に目が覚めて、突然大きな声で騒ぎます。
「なんでこんなところに人がいるの!私のおうちはどこ!私はなんでここにいるの!変なところに連れてこられた!」

緊急事態のため、普段見慣れないスタッフが対応することもあります。
すると、「あんた誰!ここはどこ!」と、より興奮します。

見慣れたスタッフに交代すると「あれ!あんたもここにいたの。」と少しづつ興奮はおさまります。
自宅に帰られようになるまで、幾度となく同じことの説明の繰り返しでした。

認知症の方は、環境が少しでも変わったり、周囲が混乱していることをとても敏感に感じ取ります。
普段通りではない生活スタイルや、慣れない人との接触、見慣れない景色などによって、さらに状態が悪化することも多々あります。災害により、緊急事態の状況になったことを理解することがとても難しい場合があります。

スタッフは、施設設備の被害修復、ライフラインの復旧までに必要な食料・物資の調達、営業中止・再開の家族や関係者への連絡、地域住民との情報交換…など慣れない作業が山積みの中、いかに余裕を持って利用者の一人一人に寄り添ってあげることができるかが課題になります。

それをスムーズにする為には、『備え』を十分にしておくことは必須です。
・非常用の食料や物資の確保
・利用者一人ひとりのかかりつけ医や内服薬、緊急連絡先などの情報整理
・自治体、近隣地域との協力体制づくり
・災害を予測したリアリティーのある防災訓練
など様々考えられます。

とはいえ、災害は急な出来事です。
思いもよらないことが起こったり、働く人もまた自宅や家族を守る為に動かなければなりません。
だからこそ、日頃からの最低限の物と心の『備え』を常に持つことが必要なんだと思います。

今回の台風15号の報道を見ていて、病院や介護施設など、命を守るべき場所で働いている方々がどんなご苦労をされているか、と考えると、人ごとではない気持ちでいっぱいです。

災害により、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災された地域の皆さまの安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。