介護デザインプロジェクト

このブログでは、
介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

カゾクロ オンラインショップ

事例233 地域が救った命

f5691b9c9cc842c1b7cfbbcfeda4184d_s.jpg
ある地域の町内で起こった出来事です。

その町は農業が盛んで、畑や田んぼが多くあります。
町内の人はみんな顔をよく知っていて、会えば道端で話をしたり、農作物をおすそ分けしたりして、非常に交流の深いところです。

子供がどこの学校だとか、旦那さんが何時に家を出て何時に帰ってきていつ休みなのかとか、最近何丁目にどんな人が引っ越してきたとか、交流が深いだけに細かいことまで知られています。
出かけるときは「どこ行くの?」帰って来れば「どこ行ってきたの?」と、誰かに出会えばいちいち話をしなくてはいけないので、少し面倒くさい面もあるようです。

ある日、一軒家の空き家に、中年の夫婦が引っ越してきました。
地域の人たちとも仲良くなり、その場所に馴染んで暮らしていたのですが、奥様が病気で突然亡くなり、旦那様一人が残されました。

旦那様は以前脳梗塞で倒れた後遺症があると地域の人たちに話していたようですが、一見どこも悪くないように見えるほど元気だったそうです。
しかし、奥様が亡くなってから町内のイベントにも参加せず、家にこもるようになっていったと言います。

ある日の町内会の定期会合で、その家のことが話題に上がりました。
隣の住人は「いつも、朝カーテンがちゃんと開くかどうか、夜は閉まるかどうかを気にするようにしています」

反対の隣の住人は「いつも玄関の外から見える位置に回覧板を置きます。いつもその日のうちに回してくれるから、夜になってもなくならなかったり、次の日まで放置してあったら、何な変だ…と気がつくと思うから。」

向かいの家の人は
「表にいたら、なるべく声をかけるようにしてるよ。」

周囲の人々は自然に、旦那様のことを気にするようにしている様子でした。

そんなある日、恐れていたことが起こりました。
まず気がついたのは、隣の住人です。昨日から回覧板が回っていないから何かあったんじゃないか、と町内会の会長さんに連絡が入りました。チャイムを鳴らしても応答がありません。玄関の鍵は開いています。

すると向かいの家の住人が、昨日は夜に灯りがつかなかった、と教えて来れました。
たまたま裏の物置小屋に回ってみると、小屋の中で旦那様が倒れているのを発見。
急いで救急車を呼び、病院へ運びました。脳梗塞でした。

前日の夜、小屋にものを取りに行った際、そこで倒れたのだそうです。

その後、重い後遺症が残りましたが、なんとか一人で歩けるまでになりました。
旦那様は言います。
「地域の人たちの目がなかったら、俺はもうここにはいないと思う。最初は近所付き合いが少し面倒だと思っていたけど、今となっては、みなさんが私の命の恩人です。本当にありがたいことです。もう少し、この場所で皆さんの力を借りて暮らして行こうと思います。」

近年、ご近所付き合いに関しては、干渉されたくないという気持ちや、面倒を避ける傾向が強く、町内会に入る人も少なくなっています。
町内会に入る入らない、ということではなく、ご近所との上手な付き合いや良い関係性を保つことは、そこで暮らしていく上で、メリットも多い気がします。
地域の防犯に関する情報共有、災害時などの助け合い、行方不明になった子供や高齢者の発見等、思わぬピンチの時にも力になってくれます。

今回の件は「回覧板」がキーになって、倒れた住民を発見することができました。
もしそれがなければ、発見が遅くなっていたかもしれません。
地域の目が一人の命を救うことになりました。

みなさんの地域では、ご近所付き合いはいかがですか?
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。