介護デザインプロジェクト

このブログでは、
介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

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事例229 歳をとったらこんなところに住みたい

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介護施設を他者はどう見ているか、と言う話です。

知人と車に乗っていた時のこと。
以前は空き地だった場所に、建物が建っていました。

前を通り過ぎると、大きな看板に
「〇〇(会社名)シニアマンション」と書かれ、さらにその脇にはさらに特大の写真パネルが貼られていました。
写真は、高齢の夫婦が寄り添って微笑んでおり、傍らでは趣味を楽しんでいる高齢者がたくさん映っていました。
その脇には“あなたの人生が輝く”的な、言葉が添えられていました。

私が、「こんな所にシニアマンションが出来たんですね。綺麗そうですね。」そう話すと、知人からこんな言葉が返ってきました。

「うーん。
あんなに建物の壁いっぱいにシニアのマンションです!って書いて、高齢者の写真をたくさん貼り付けて、そりゃ、パッと見で高齢者のための建物なんだなって分かるし、未来の暮らしのために素敵な暮らしが出来ることを目指した場所だってことを謳っているかもしれないけど。

ここに住みたいって思わないって言うか。こんな所に住めたらいいなって言う、憧れにならないんだよね。
運営側としては、ここがどう言う施設なのかを外見から知ってもらいたいわけなんだろうけど。」


あくまでも知人の個人的な意見です。
『高齢者のための』と言うことを積極的にアピールされると、気持ち良くない人もいるのではないかとも思いますし、逆に、パッと見た目でどんな建物で、何を目的としているのかが分かるので良い、と言う方もいるかもしれません。


以前に私が勤めていた介護施設は、
施設の脇を利用者と散歩をしていると、通りすがりの人たちが施設を見て、
「この素敵な建物はなんだろう?美術館?」と言いながら通り過ぎるのです。

利用者の一人が、
「建物を褒められてるんだけど、なんだか自分たちが褒められてる気がするわね。こう言う所に来る事ができて、私は幸せだわ。」そう話したことを思い出します。

さらには、友人とご飯を約束したホテルだと勘違いして施設に入ってきた方もいました。
「あらここは、ホテルじゃなくて介護施設!?素敵ね!
今日は間違ってきたんだけど、実は母を介護していて、施設を探していたんです。パンフレットください。」と、思いがけないきっかけになった事もありました。


様々な意見があると思いますが、
身近にある建物をどのように感じるか、と言う事は結構重要な気がしています。
年代やそれぞれの好みなどによっても変わると思うので、いろんなパターンがあっていいと思います。

最近では少しづつ、デザイン性のある施設や、近隣住民が気軽にお茶をしたり立ち寄れる施設、子供たちが庭で遊んだり施設の一角を開放して勉強ができる施設、子育て世代から高齢者まで様々な世代がキッチンや庭を共有し、生活の一部を共有することで人間関係豊かに暮らせる施設、テニスコートや雀荘やスナックなど趣味や習慣が継続できる場所が併設された施設、など様々に個性的で魅力ある施設も増えてきました。

最初に知人が言った「憧れない」と言う言葉が印象的で、

歳をとったら、あの人のようになりたい。
歳をとったら、こんな場所で、こんな風に暮らしてみたい。

と、「憧れる場所」が沢山増えたらいいなと思います。

皆さんにとって、近くにある施設はどのように映っているでしょうか?
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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