介護デザインプロジェクト

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事例226 運転免許の自主返納を考える「そのうち」を「今のうち」に

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母子2人が犠牲となった東京・池袋の事故。
高齢者の運転や免許の返納制度について、再度関心が高まっている中、田舎に住む母がもし運転免許を自主返納したらを、具体的に考えて見ました。

60代後半、地方で一人暮らし。
買い物は、一番近いスーパーで片道歩いて20分。
家族が車で30分のところにある施設に入居しているため、月に数回訪問する。
車で30分かかる場所に週に数日仕事に行っている。
バスや電車など、ほとんど乗ったことがなく、もっぱら車移動。
車の運転歴40年以上。
もっと歳をとったら自主返納しなければいけないとは思いながらも、まだ運転には自信があるし、自主返納してしまったら、何処へも行けなくなってしまい、生活が不便だと思っている。

まず、自主返納をして、運転経歴証明書を発行してもらうと、それが身分証明書として継続して使うことができます。さらに、地域で様々な支援を受けることができるのですが、生活を具体的に考えると、やはり暮らしにくさを感じてしまいます。

<車がなくなったら、どこへも行けなくなってしまう。>
一番身近な公共交通機関になるのは、バスやタクシーとなる。
まず、バスについて。
母の住む町の市営バスは、経歴証明書で受けられるサービスはありませんが、70歳を越えると「高齢者バス特別乗車証」が交付されます。年額の利用料を支払えば、市内全線を移動できます。

しかし問題は、その本数です。
基本的には1時間に1本程度。路線によっては1日1本という線もある。
買い物へ行く先の路線では、朝は9時台から夜は17時台のバスを逃すと大変です。
冬は雪が降ると、時間通りには来ません。寒いバス停でじっと待つのです。


タクシーについて。
経歴証明書があれば、市内のタクシーのほとんどで割引が効くようです。介護タクシーも同様です。
最大10%の割引です。

例えば、家族の入居する施設は、バスを乗り継ぐ上に、バス停から施設までかなりの距離がある為、バス移動は現実的ではありません。
タクシーを利用すると、片道3,600円。10%引きで、3,240円。往復約6,500円。
これまで月に数回訪問していたことを考えると、これまで通り会いに行くのは難しくなります。

「どこへも行けなくなってしまう」の言葉には、「自由に動けなくなってしまう」という意味も込められている気がしています。
出かけること、買い物へ行くことさえも、億劫になってしまう気がしています。

現在、運転免許の自主返納者への支援については、協賛店を募るなど、自治体や事業者の支援も増え続けていますが、「これまでの生活を継続する」ということに関してだけを考えると、特に地方では、まだまだ足りていないのが現状です。

この現状を踏まえ、当事者と家族が考えなくてはいけないことは、
「そのうち」を「今のうち」に変えて行くことだと思います。

今のうちに、車を使わない生活の場合、自分の暮らしがどう変わるかを早く認識しましょう。
具体的に実際の暮らしに対応させて考えて行くと、難しい部分が良くわかり、家族の協力も得られやすくなります。
バスや電車の乗り方に慣れるのも必要です。

車を常用している人にとって、運転免許を返納する事は、大げさにいえば、携帯電話を取り上げられるくらい不安なものです。
その不安を、自分自身や家族と一緒に、「今のうちに」一つずつ解消していきましょう。
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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