介護デザインプロジェクト

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介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

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事例217 暴力行為に対するチームケア

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介護士の友人男性が、暴力行為のある入居者に困っていました。

友人
「実はね、最近、暴力のある男性が入ってきたんだよ。認知症の症状で、そうなっているわけなんだけど、特に入浴介助が大変でね。

この前、僕が介助に入った時に、洋服を脱いだ途端にスイッチが入ったように暴れだしてね。裸のまんま、ここから出せ!って、窓やドアを開けようと、叩いたり蹴ったりすごかったんだよ。そうなったらどんな声かけも効かなくなってしまって。もちろん、僕にも暴力を振るおうとするから、当たらないように逃げるわけなんだけどね。

ただ、本人が叩いたり蹴ったりして、例えば窓が割れてしまったりして怪我をしてもいけないし、万が一、ドアが開いて廊下に出たりして、裸のまま歩いた時に、他の利用者の方に不快な思いをさせてしまうかもしれない。そう考えたら力づくでも暴力を抑えたほうが良いのか…いろんなことを考えてしまうよね。」


「それはとっても難しい対応ですよね。他のスタッフさんはどうされているんですか?」

友人
「それが、中にはそういう方から逃げずに向き合おうとするタイプのスタッフもいて、なんとか説得しようと、向き合うものだから、ボッコボコにやられっぱなしの人もいるんだよね。しばらく暴力が続くと、本人も疲れて辞めるわけなんだけど。でも僕は、介護士はもっと自分の身も守ったほうが良いと思うんだよね。」


認知症などの症状により、感情のコントロールが難しく、暴力が出てしまう方がいます。
そのような方に対する対応はどのようにしたら良いのでしょうか?

どんな声かけも通らなくなるほどの状態の時は、説得しようと向き合うのは逆効果になる事が多いだけでなく、余計に感情を刺激してしまい、暴力を受けてしまう事があります。
まずは、自分の身を守るために、適切に距離を取る事が大事です。

そして、大きな声を出している人に、大きな声で制止しようとするように、感情に対して感情で抑えようとするのではなく、落ち着いた姿勢で話ができるような心がけをすると良いと思います。

また、対応する人を変えるだけでも、気分が落ち着いたりすることもありますので、スタッフで協力し合う事が大切になります。

私も以前デイサービスで、このように暴力的になった利用者がいて対応に困っていたら、他のスタッフが「社長!どうされましたか!?」と言って、部屋に入ってきてくれました。
その方は、経営者で会社を辞めるまで、ずっと「社長」と呼ばれてきていたのでした。

するとその利用者は、「おう、なんだいたのか、ちょっと聞いてくれよ」と、部下に話しかけるようにそのスタッフに話し始め、徐々に怒りが引いていった、という事がありました。


実際にそうなってしまった時の対応以外に、やっておきたい事があります。

その利用者の感情の状態が、1日のうちにどう変化しているのかを記録に残す事です。
何時くらい、どこで何をしていた時、誰といた時、どんな言動であったかを記録しておき、そこからパターンを見つけられれば、ケアの参考になります。

そこに、必ず付け加えて欲しいことが、スタッフがどのように対応したのかを、言動として残すことです。意外に、スタッフの何気ない言動に怒りを覚えることもあります。

笑顔=笑われている
目の前に立つ=行動を妨げようとしている
など、思いがけない意味で捉えることもあるのです。

そして、その記録をミーティングなどで評価をして、行動パターンを見つけたり、失敗・成功した対応や声かけをみんなで共有していくことで、その方に対するケアの共通認識をスタッフみんなで持つことができます。


また、医師に相談して、薬で対応することも考えられます。

「暴力の原因」は何からきているものか。
周囲の言動からか、もしくは何かの病気で痛みを感じているのか、それとも不安や混乱からきているものか。
結果、その表現が暴力になっているのです。

在宅介護では、家族でのチームケアはなかなか実践が難しいと思います。
医師やケアマネージャーに相談して、介護する側の身をしっかりと守りながら、本人も穏やかな気持ちでいられる最善の策を考えていきたいものですね。
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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