介護デザインプロジェクト

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事例210 家族を想い願う初詣

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年始のデイサービスでは初詣に行くことが多いのですが、多くの利用者が健康長寿を祈ります。
それは、自分のためであり、家族のためでもあると言います。

ある年、年始のデイサービスにて、利用者数人を連れてその土地の氏神様へお参りに行きました。

参拝の列に並んで順番に手を合わせて行きました。
私は、杖を使ってやっとの思いで階段を登る利用者のおじいちゃんに付き添いながら、一緒に参拝することに。
同じタイミングで二礼二拍手を行ったのですが、私が願い事が終わり一礼すると、まだおじいちゃんは手を合わせています。

少し待っても、まだ終わりません。
さすがに気まずくなって、私は脇にそれておじいちゃんを待つことにしました。
私の列が2人3人とお参りが終わる中、おじいちゃんの列はおじいちゃんで止まったままです。
さすがにまた気まずくなって、おじいちゃんの後ろの方に(すみません…)と合図すると、笑って小さく「大丈夫ですよ」と言ってくれました。

参拝が終わり、おじいちゃんに「随分長くお願いごとされてましたね。」と声をかけると、こんな答えが返って来ました。

「まずは、住所と生年月日と名前を言って、最初に昨年の感謝を述べるわけね。昨年中は大きな怪我や病気もなく過ごせました、ありがとうございますって。で、それから今年一年の願い事をするわけよ。何より家族みんなが幸せに暮らせるよう、一人一人の名前を言って祈って、そして、自分のことね。

怪我も病気もなく、長生きできますように。
これは自分の願いでもあり、家族のためでもあるわけ。
家族がいくら健康だって、自分に何かあったら、家族に心配させたり、迷惑がかかる。そうしたらみんなが幸せにならないでしょう。家族のためにも健康でいたいわけ。

そんなこんなで願い事してたら、少しゆっくりしすぎたかね。しかも、やっとの思いでしか階段を登れない私に付き合ってもらっちゃってわるいね…年に一度だから、許してちょうだいよ。」

ある調査によると、初詣に行く人の8割が『健康・家内安全』を願うのだそうです。

私は今年、成田山新勝寺にお参りに行って来ましたが、
天気は良かったのですが冷たい風が吹く中、参拝の大行列と多くの人出に驚きました。

様々な願い事があると想いますが、その中の多くの人が『家内安全』として家族を想い願っていることがわかると気持ちが少し暖かくなり、待ち時間も苦に感じませんでした。

そういえば、デイサービスのおじいちゃんのながーい参拝を後ろで待っていた方が、笑顔で待っていてくださったのは、おじいちゃんの参拝の気持ちを暖かく見守ってくれたからなんだろうな。とそのときのことを思い出してしまいました。

高齢になると、初詣に行きたくても階段が上がれないから、多機能トイレがないから、と遠慮してしまう方も少なくありません。
徐々にですが、スロープがついたりエレベーターが設置されたり、お寺や神社のバリアフリー化も進んで来ていますから、ご本人の気持ちがあるならば是非、お連れしたいですね。
Posted by おこないちかこ on  | 0 comments 

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