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事例202 おばあちゃんたちが今会いたい人

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施設で歌のレクリエーションを行っていた際、“逢いたい”という歌詞の入った曲がありました。
「皆さんの中で、いま会いたい人は誰ですか?」と質問をしてみました。

すると、あるおばあちゃんからこんな答えが返ってきました。

おばあちゃん
「会いたい人は死んじゃったわ。」

私    
「ご主人ですか?」

おばあちゃん
「主人はとっくの昔に亡くなったから、気持ちの整理はできているの。そうじゃなくて、息子よ。まだ40代よ。仕事もしていたし、何より親孝行だった。でも、病気で長く生きられなかったの…10年も前の話だけど、この間のような気がするわね。いま会いたい人って言われたら、息子の顔が浮かんできたわ。」


「それは辛かったですね…。」

おばあちゃん
「そりゃ、その時はね。親より先に死んで、なんて親不孝者か、と思ったら泣けてくるんだよね。でも、それを思い出す度に、亡くなる少し前に息子から“長生きしろよ”って冗談まじりに言われたあのときの光景も一緒に思い出されるんだよ。息子のためにも、笑って楽しく長生きできたらいいなって思って今に至るわけよ。暗い話になっちゃってゴメン!ゴメン!」

それを聞いていた、もう一人のおばあちゃんもまた、“会いたい人は死んだ主人です”と話始めました。
最後には“私が笑って楽しく過ごしていたら主人も満足だろう”って思っている。と言います。


長い人生の中で、たくさんの人たちと出会ってきたおばあちゃん達が、“いま会いたい”と願うのは、思い出となった大切な家族でした。

そして、その人達のためにも笑って楽しく生きるんだ。と思っている事を知ると、介護士として関わる時間の中で、どれだけ今日は皆さんと笑い合えたかな。楽しい時間を共有できたかな。と反省してしまいました。

笑顔や楽しみの為に、誕生日や行事を祝うことは施設全体のイベントとして必要かもしれませんが、何気ない日常がつまらなければ、何の意味もない気がしていて。

個人個人がいま何を思っているのかや、いま何がしたいと思っているのかを察知して、日常の中に笑顔を多く作っていくことで“笑って楽しく生きる”に繋げられたらいいなと改めて感じました。

Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  08 2018 08:00
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