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事例191 伝わらない真相

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ある日、若い職員が悩んでいました。

職員「Aさん(入居者)に話をしても、よく伝わらなかったり、うまく会話が進まなくて。時々、怒られることとかもあって、こう言っては何ですが、ちょっと苦手です。どうやってコミュニケーションをとったらいいんですかね。」

私「怒られるって何を?」

職員「あなたのおっしゃっている事は、よく分かりません。って言われます。この前は、入居者の皆さんとうなぎの話になって、Aさんにうなぎ食べれます?って聞いたんです。そしたら「食べれますって何よ!」って。怒っちゃって。」

この話を聞いてピンときた事があります。
Aさんは、若い頃は国家公務員をしており、旦那様も同じく国の仕事をしている人で、家柄も良く、上流階級と呼ばれるような環境で過ごしてきた方でした。

以前娘さんから、小さい時は言葉遣いをものすごく叱られたと聞いた事があり、私も気を付けてはいたのですが、起床介助の際に「“起きれ”ますか?」と声をかけたところ「あなたが聞いているのは、私が“起きられ”るかどうかと言う事ですか?」と言い直されたことがありました。

よく言う『ら抜き言葉』を言い直されたのです。


言葉使いを考えてみると、若い職員さんは『ら抜き言葉』を普通に使っているようでした。
「これ食べれます?」「こっち来れます?」「それ見れます?」
また、「それヤバイっすね。」とか、「マジっすか?」という表現もよく使っています。

これらの表現は、私達にとっては普通ですし、今では年配の方も使っていることも多いので、わざと使って冗談を言ったり、堅苦しく話したくないと言う方には良いのかも知れません。
しかし、人の印象は「声」と「話し方」でほぼ決まると言われているくらい、言葉使いは対人関係での基本という事は忘れてはいけない気がしています。

特にAさんはそこが厳しい環境で過ごして来たわけですから、そういう背景も考えると、あまり言葉使いを意識していなかった若い職員さんの印象が悪かったのかも知れません。

若い職員さんには、私がAさんから言い直された言葉使いの体験や、Aさんの生活歴をもう一度確認して、話し方について少し意識してみるように伝えました。

すると最近では、2人で笑顔で会話をする場面も見えているので、少しづつ慣れて来ているのだと思います。
楽しそうにしている姿をみるとホッとします。


若い職員さんにアドバイスをしながらも、自分自身を今一度振り返って意識してみようと思っている今日この頃です。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  23 2018 08:00
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