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事例183「介護士がセクハラを受けている」という記事について

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少し前に、新聞記事にこんな見出しがでました。
「介護職員、3割がセクハラ経験 利用者やその家族から」
https://www.asahi.com/articles/ASL4W4VHXL4WUTFK016.html
これまでの介護士経験の中で、やはり利用者からの性的発言や接触は多々あります。
だからこの数字も、“まぁ、あるよね”という感覚ではあります。
だからと言って、「我慢するのがプロ」「あって当たり前」とも思いません。

私がその行為(セクハラ的な)が自分の中で大きな問題にならなかったのは、様々な要因があります。

(1)私の性格
(2)一緒に働く仲間との連携が取れていた事
(3)上司や会社の理解があった事
(4)利用者のご家族との信頼関係ができていた事

それぞれについて経験談で説明していきます。

(1)少しのことはあまり気にしないタイプですが、嫌な事は嫌なので、冗談を交えつつも、辞めてほしいことは直接言ってしまいます。
たとえば、お尻を触って来た利用者がいたら
「今度触ったら、罰金ですよ!冗談は抜きで、こういうことはやめてくださいね、私も、それを見たみなさんもいやな思いをしますから。」と言う具合に。
周囲にいる方も巻き込んで発言することで、本人も悪いことをしていると言う意識のある方が多いですから「すまんすまん…」といい、それ以上に発展する事はありません。
(訪問介護や居室内での出来事で一対一だとそうは行きませんね。)

(2)同じ方から継続的に行為がある場合は、仲間に話しをして、助けてもらいます。
重度の認知症状によって、徘徊行動はあるものの転倒のリスクの高い男性がいて、スタッフが交代でマンツーマンで付き添っていなければいけない状況がありました。
長く一緒にいると、次第に性的な発言が多くなり、居室や周囲から見えない場所に誘導されたりする様になってきました。この事をスタッフに共有すると、女性スタッフのときにこの様になることが多いようで、とくにお気に入りのスタッフには更に卑猥な発言をしている事がわかりました。
付き添う時間を短くしたり、一対一になる環境を作らないようにしたり、なるべく男性スタッフに協力してもらったり、スタッフ内で連携を取っていきました。

(3)更に行為が頻繁、そして卑猥になって来た場合、上司や会社に判断してもらいました。
1も2も対応できなくなった場合、たとえば、お気に入りのスタッフがいると追い掛けたり、スタッフ側がストレスを抱えてしまった場合は、担当を外してもらったり、施設内で担当フロアの異動を行なったり、上司から家族やケアマネに相談して、デイサービスであれば利用者の利用日を変更して貰ったり、居室の移動をお願いしたりしました。その際に、必要なのが(4)です。

(4)この様な行為を利用者のご家族に報告するとき、ご家族との信頼関係がなければ、
「対応の仕方がわるいんじゃないのか」「うちの家族がそんな事する訳が無い」「大袈裟なのではないか」「プロなんだからそれくらい我慢すればいいじゃないの」、そんな風に受け止められてしまう事も有ります。
普段から細かな報告が出来ていたり、コミュニケーションが取れている上で話があるのと、そうでないのに、突然問題のように報告されるのでは受け取るご家族側の感情も変わってくる気がしています。
いつどんな時に、どんな状況でどんな発言行為があったのか、だけではなく、私達がどそれに対してどんな対応をしたのか、言動を記録しておくことが大切です。


介護士の仕事は、どうしても身体的距離感が近いです。
だからこそ、この様な問題はどこにでも発生すると思って、個人的にも会社的にも、どう対処するのが賢明なのかを常に念頭に置いておかなくてはいけないと思います。
病気によってこのような行為が引き出される方もいます。
そうなると、家族介護のなか(特に夫婦感)でも悩みになる事も少なく有りません。

とにかく、一人で悩まない事が重要です。
「介護士はセクハラを受ける事が良くある」というような見出しは私には少し受け入れ難くて、それをうまく解決出来ない状況があることのほうが問題な気がしています。

Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  28 2018 08:00
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