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事例169 小さな子供のいるお母さん達の仕事場

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小さな子供のいるお母さんから聞いた話です。

子供がいても働ける職場を探していたところ、「子連れ出勤OK」と書かれた求人があり、応募してみたところ、採用されたのだそうですが…

そこは介護施設でした。
子供と一緒に行けば、お年寄りも喜んでくれるかもしれない、と思っていたのですが、実際働く場所は、お年寄りがいるところではなく、少し離れた事務所。
触れ合いはなく、子供がぐずったりすれば、職場に迷惑も掛かるし、自分の仕事もはかどらなくなりました。
仕事に対する責任感や周囲の視線もあり,結局は長く続かずやめることになってしまったのだそうです。

この話を聞いていて、常々思っていることを思い出しました。
小さな子供のいるお母さんが、介護施設で働くことのメリットについて、です。


小さな子供のいるお母さんに、介護施設で働いてもらうと言うのは、個人的にはとても良いことだと思っています。
もちろん子供連れOKの施設であれば、高齢者も喜びます。(上記の施設のようにうまく活用できなければ、問題になってしまいますし、高齢者の全員が子供が好きと言うわけではなかったり、子供がぐずったりしたときにきっちり対応ができるか、そのあたりのコーディネートは難しいですが…)
それだけではなく、お母さんたちが介護現場を体験することは、いずれ来る自分の親や夫の介護の際に、その経験が絶対的に役に立つのです。
実際の介護が始まる前に少しでも介護や施設の現場経験があれば、自宅で介護をする場合、食事、入浴、更衣、移乗、車いすの扱い方など、具体的な介護が必要になったときも、一から学ばなくても済むのです。

施設には軽度から重度の様々な方がいます。

介護をする時、自分の家族の介護状態が、どのくらいのレベルなのか、を少しでも判断できれば、今後何をしたらいいのかの検討をつけることもできます。

施設を探すことになった場合でも、どんな施設を選んだらよいかや、施設内の雰囲気を想像することができますし、施設がどんなことをしてくれるのかを具体的にその場で質問することができます。

下の世話は無理だとか、お年寄りと触れ合ったことがないからできないと思う方もいるかもしれませんが、介護の仕事は直接触れ合うことばかりではありません。
施設によっては、調理や掃除や洗濯など、家庭の延長でもできる専門の仕事や、趣味を活かしたレクリエーションスタッフなどを募集している施設もあります。
そういうところから雰囲気を感じることもとても良いと思っています。

小さな子供のいるお母さんの多くは、20〜40代です。
その親は60代〜70代前後と言うところでしょう。
子供の成長も楽しみですが、同時に親が歳をとっていくことの心配もある時期です。まだ元気だから…と思っているうちに、介護が目の前に来てしまった…という話はよく聞きます。
だからこそ、「介護」の仕事にも是非興味を持っていただきたいのです。

小さな子供がいるお母さんが介護の職場で働くためには、施設側も体制を整えなければいけません。
『子供の体調などで、突然や頻繁に仕事を休まれてしまっては困る』
そのような理由で、小さな子供がいるというだけで、受け入れない施設も多いようです。

医療や介護を在宅中心に推進している日本社会の中で、「老い」というものが特別なことではなく、いずれは家族の「介護」に直面するかもしれないという心構えを自然に持ってもらうためには、介護の職場に興味を持ってもらうということも必要なのではないかな、と思っています。

そしてそのためにも、せっかく働きたいと思ってくれているお母さん方をしっかりフォローできるような施設の仕組みが必要な気がしています。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  22 2018 08:00
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