介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信中。

メニュー

事例164 高齢者の性のこと

5709a48afe599be99e04604db2faafa8_s.jpg
旦那さんを在宅で介護している80代の奥様Aさんのお話です。

ある日、Aさんからこんな相談を受けました。
「認知症と診断された旦那が、最近毎日夜になると、部屋に入ってきて“性行為”をしようとしてくるようになったんです。もちろん私にその気はないし、気持ちが悪いし、最近は別の部屋に鍵をかけて寝るようになりました。息子夫婦も2階に同居しているのですが、恥ずかしくて相談出来やしないし、でも毎日のことでストレスでおかしくなりそうです。夜が来るのが怖いんです。」

高齢者の性については、介護施設でも問題となることもあります。
例えば、男性利用者の入浴介助を女性スタッフが行なうと、性器を触れと言ってきたり、女性スタッフの胸や尻を触ったり、女性の利用者でもお気に入りの男性スタッフが夜勤だと部屋に誘ったり。


このような行為を受けた側は、病気がそうさせているのだからしょうがない、と割り切って考えられる人も入れば、そうでない方もいます。

Aさんのように、家族のことだからこそ周囲に相談出来なかったり、介護施設ではこの問題に耐えられなくて離職をするスタッフもいます。

いくつかの対応策はあります。

認知症の程度や介護者との関係など、様々な環境があり一概には言えませんが、一番は、はっきりと自分の気持ちを伝えることが必要だと思います。
感情的になったり、相手を否定するような言い方ではなく、「興味がないなら興味がない」「やめてほしい時はやめてほしい」と、毅然とした態度が必要です。

その他、心の問題に対しては、
もしかしたら、求めているものは行為そのものではなく、病気になって増幅していく不安感や寂しさ、孤独を埋めたいという気持ちがあるからかもしれません。
安心感を求めた先が性的行動に繋がっている可能性があります。
この場合、一緒に何かをおこなった満足感(旅行に行ったり、何かの作業をしたり)を持ってもらうとか、行動を起こす時間帯などのパターンが分かっているのであれば、先回りしてその時間にお茶や食事の時間にしたりしてみたり、満足感を別な方法で持ってもらうことも良いと思います。

次に体の問題に対しては、
体力がある。歳より扱いされたくない。まだまだ元気だということを分かってほしい。そのような場合に、性的行動につながる場合があります。
この場合、ご本人が持っているエネルギーを性行為ではなく、別な方向に向けてあげることが必要です。
運動不足を解消するような時間を作ったり、他者とのコミュニケーションを積極的にはかったり、新しいことにチャレンジしたり、身体や心のエネルギーを別な方向で使ってあげ、いい意味で身体を疲れさせることも有効な気がしています。


介護において一番大切なのは、介護をする人が心身ともに健康であることです。
特に今回の性の問題に関しては「恥ずかしくて誰にも言えない」「他人に知られたくない」「自分が我慢すれば済むことかもしれない」そんな風に思って悩んでいる方も多いです。
Aさんが私に相談してくださったのは、本当に勇気がいることだった思います。

在宅介護であれば、ケアマネージャーさんの協力を得たり、日中の活動支援には、デイサービスやボランティアさんが関わることができるかもしれません。施設のスタッフであれば、利用者の対象になっているスタッフを別なフロアの担当に変更したり、関わる時間を短くしたり、様々に助け合うことが可能です。

あまりにも攻撃的だったり、行動が行き過ぎる場合は医師に相談するのも良いと思います。

とにかく、隠さず誰かに発信してほしいと思います。


ちなみに…
最近ニュースになった、高齢者の性の話題では、介護サービス業を全国展開する株式会社「いきいきらいふ」が、TENGA社との協働を発表。
デイサービス店舗「いきいきらいふSPA」において『TENGA』を販売するなど、利用する高齢者・障害者の性生活を高める取り組みを開始するようです。行為によって、若さを保つホルモンであるテストステロンが多く分泌されることもわかっており、この事業を通じて『TENGA』の健康への有用性を伝えていきたい、という意図があるようです。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  15 2018 08:00
  • Comment: 0
  • Trackback: closed

0 Comments

Post a comment