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事例155 デイサービスで共に過ごす泣き笑いの時間

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都内の小規模デイサービスを訪れ、音楽レクリエーションを行った際の出来事です。

施設内に入ると、70代くらいのおじいちゃんがご自分の歌いたい曲をリストアップしていました。
リストの曲を見ると、『飾りじゃないのよ涙は』『365日の紙飛行機』など意外な曲が並んでいました。

好きな音楽の話にひとしきり花が咲き、いざ音楽レクリエーションを開始。

試しに『恋するフォーチュンクッキー』を流してみると、先ほどのおじいちゃんが完璧に歌い上げ、見ていたおばあちゃんたちが、カラオケの画面に映ったプロモーションビデオを見ながら踊りだしました。
「まったく、私たちはもうすぐ90なのよ〜若い子の踊りはわからんね〜」と言いながら踊っている姿にスタッフも大爆笑しながら一緒に踊っています。

音楽レクリエーションの最中、テレビに映し出される映像を見ながら、体操や脳トレなども行います。
利用者もスタッフも一緒になって冗談を言い合いながら、まるで自宅のリビングで一緒にテレビを見ながら過ごしている家族ような、穏やかで楽しい時間が過ぎていきました。

利用者、スタッフ合わせて10人程度の少人数。
利用者もスタッフの名前をしっかり憶えていて、ちゃんと名前で呼んでいて、とてもいい雰囲気の施設だな…そう思ってみていました。


帰り際、AKBを歌ってくれたおじいちゃんが、つかつかと私のもとにやってきて、小声でこんな質問をしました。
「あなたは結婚しているのかい?」
「していますけど…気になりましたか?」と返すと、
「なんだ、〇〇さん(施設のスタッフさんの名前)にちょうどいいと思ったのに…」と。
スタッフの結婚相手までに気にしてくれていたんですね。
微笑ましい気持ちになりましたし、本当に心が通う仲なんだな…と感じました。

施設からの帰り道、わたしもデイサービスで働いていた時のことを思い出していました。
当時家庭のことでとっても悩んでいた頃、利用者のおばあちゃんに「あんた最近、顔色が悪いんじゃないかい?」とすっかり見抜かれていて、ぽろっと悩み相談をしたら、なんだか泣けてきてしまって。
おばあちゃんが「辛かっただろうに」と、一緒に涙してくれました。

一緒に働いていた子供のいるスタッフは、子供の習い事で「今度大会があるんだよ」と伝えると、次に会ったときに、利用者の方から「この前の大会はどうだった!?」とまるで親せきのおじさんおばさんのように話を聞いてくれていました。
賞をとったときは、家族のように喜んでくれていました。

利用者とスタッフという関係性にはいろいろな考え方があると思いますが、私はアットホームな雰囲気の施設にとても魅力を感じます。
当時私が勤めていたデイサービスに今でも勤務している友人に話を聞くと、あの頃に私が関わっていた利用者は、今はほんの数人しかいないそうです。
体調が悪化して入居施設に転居されたり、多くの方がお亡くなりになっています。
ほんの3年前の話です。

スタッフにとっては、人生のまだまだ途中の数年数か月ですが、利用者の方々にとってみると「人生の最後に出会う人・場所」の可能性があるんだな、と改めて考えさせられました。
利用者がデイサービスに通っている時間、まるで家族のように、一緒に泣き笑いできる気持ちの通い合いがあるというのは、ありがたいことだなと実感しています。

このことは、もしもこれから介護士を目指す方がいたら、介護の仕事の魅力として、伝えたいでことの一つです。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  14 2017 11:22
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