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事例152 孫が見る親子の風景

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皆さんは、小さい時に親や親族が祖父母を介護している様子を覚えていますか?

私の父方の祖母は、重度の認知症でした。

財布がないと騒ぐ、こたつの掛布団に虫がいると言ってずっと毛玉をとっている、ご飯を食べさせてもらえないと近所へ駆け込む、弄便(便をいじって丸めたり、壁や床にこすりつけたりする行為)する、寝たきりになる。

私は一緒に住んでるわけではなかったのですが、訪問するたびに祖母の様子は変わっていて、介護をしてるおばさんは、あんなこともあった、こんなこともあったと、愚痴を吐くように教えてくれました。

おばさんは、大変な中でも近所の方の理解を得て、介護サービスもうまく使っていました。
祖母が「うちの嫁はご飯も食べさせないんだ!」と近所に駆け込むと、ご近所さんは祖母が認知症だということをおばさんから聞いているので、「そうなのかい?まぁまぁ、とりあえず上がってお茶でも飲んでいきなよ。」となだめるのでした。追いかけてきたおばさんは、祖母の後ろから(ごめんね)とご近所さんにアイコンタクト。祖母はご近所さんの家で、ひとしきり愚痴を吐き、しゃべっているうちに、なんでここに来たのかを忘れているのでした。

そんなこんなで、私の認知症への知識は祖母のおかげで勉強しなくてもついていましたし、認知症は恥ずかしいことではない、大変な時はご近所さんや介護サービスの協力を得て見守っていくといいんだ、というのが常識と思っていました。

しかし、介護士として仕事を始めると、実は認知症についてご近所や誰かに“知られるのが恥ずかしい”、“相談できない”、という悩みを抱えている方が多くいることに驚きました。


私の介護に対する考え方は、小さい時の記憶が主になっていることが多いです。
きっと実際に、私の親を介護することになったとき、おばさんや親がやっていた祖父母の介護を思い出すとも思います。

介護をする大人の姿というのは、子供の介護観にも関わるそうです。
今は親子すら離れて暮らしている家族が多く、祖父母の介護を目の当たりにする機会は少なくなっているのかもしれませんが、だからこそ、親としては少ないチャンスの中でしっかり伝えていかなくてはいけないことの一つなのではないかと思います。

「子育て」という枠の中で「介護」に関することが語られることは少ないです。
だからこそ、介護をしている、または介護のことを考えている大人の姿を見せるだけで子供に伝わるものがあるいうことを、もっと多くの人に伝えていきたいと思います。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  23 2017 08:00
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