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事例151 「介護」と「自分のこれからの暮らし」

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先日、施設に入居しているおばあちゃんAさんのキーパーソンが変更になりました。
(※キーパーソン…メインで本人に関わってくれる人の事)

今までは、娘さんがキーパーソンだったのですが、息子さんに変更になりました。
その理由を聞いてみると…
娘さんは、Aさんが施設に入所してからも、週末には来所して一緒にお散歩に行ったり、家族会に参加したり、一生懸命お母さんのことを考えてこられてきた方です。きっと最後まで関わっていきたいという思いはあったのだと思いますが、ある夢を叶える為にキーパーソンを変更することにしたのです。

それは娘さんのご主人の夢です。
ご主人はあるスポーツの指導員をされていて、老後は海外でそのスポーツの普及活動や指導員をすることが夢だったのだそうです。

娘さん夫婦も老後を考える年齢になってきて、Aさんのこともあるけど、自分たちの夢もかなえたい、と思ったのだそうです。
そんなとき、弟さんである息子さんがキーパーソンを受け入れてくれたのだそうです。

弟さんもまた以前からちょくちょく施設に顔を出されていて、Aさんをとても大事にされてきた方です。

ご家族関係が良好であったこと、お互いのこれからを認め合えていることが今回すんなりとキーパーソンが変更できた理由な気がします。
やはり、家族間でどのような未来像を描いているのかを知っておくことは重要なんだと思います。


これまで、たくさんの家族と関わってきました。
キーパーソンが変わるときには様々な理由がありますが、時に家族間のトラブルによって変わることも少なくありません。

キーパーソンになると、施設やサービス利用の契約、事故や病気になった際の第一連絡や、家族会や運営推進会議などへの参加など、施設やサービス担当者からの連絡を頻繁に受けることがあります。
特に仕事を持っている方などからすると、それだけでも負担は大きかったりします。

そのほかに、ケアマネージャーさんからの連絡を受けたり、書類のやり取りや金銭管理などが重なってくると、責任を重く感じる方も多いようです。

生活とのバランスが取れなくなって負担が増えてきたり、家族間の関係が悪かったりすると、兄弟は何もしない、自分だけが親の責任を負わされている。
そんな不満から、トラブルになることも多いです。


そう考えると、Aさんの家族はきちんと話し合いができていたんだな、と思います。
“お母さんを看る”、“ご主人の夢を叶える”、この二つの目標を達成するために何ができるのかを話し合われたことと思います。

兄弟で親を看るということを考えたとき、“自分たちのこれからの生活”を考えることも大切なのです。
互いにこれから先、どの場所で、どのような人生を考えていて、どの時期まで何ができて、どこまで譲り合うところがあるのかどうか、を明確にしておくことが大切なのです。
親や兄弟とは離れて暮らす家族も多くなってきている昨今、いざというときに、責任の押し付け合いになるのだけは避けたいものです。

仕事の事、子供の事、やりたい事…それらをある程度共有しあい、お互いにそれでよかったんだと思える人生を過ごせることは、親にとってきっと一番の親孝行でしょう。


家族のこれからを考えるきっかけに、介護デザインプロジェクトでは“カゾクロ”をおすすめしています。
“カゾクロ”は、家族の年表を作るためのノートです。現在、過去、未来に分けて、3枚の年表を作ることができるようになっています。
これまで、カゾクロをやってみた方の中からは、親がこれからどういう老後を過ごしたいと思っているのかを初めて知った、という方や、親が自分たちにどんなことを望んでいるのかを改めて確認できた…など、家族のこれからについての考えを共有できた、という感想もいただいています。

今年も残り少なくなってきました。
是非、家族の集まるひと時に、「カゾクロ」してみませんか?
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Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  16 2017 08:00
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