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事例146 二人きりの時間作ってみませんか?

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外出レクリエーションで施設のおばあちゃんとスーパーへ出掛けた時のことです。

買い物をし、疲れたのでフードコートで二人で珈琲を飲みながら一休みしていました。
せっかく二人きりだからと思い、日頃施設では言えないこともあるのではないかと思ったので、質問をしてみました。


「こんな機会なので、もし、日頃の生活の中でこんなことしたいっていう希望やちょっと困ってることとか、人間関係とか、気になっていることがあったら、教えていただけますか?」

おばあちゃん
「ありがとう。困ってることや人間関係は特にないわ。買い物に出たり、みんなと話したり、健康で過ごせる事が今は幸せね。若い時に苦労は散々してきたから…」


「苦労ですか…」

おばあちゃん
「そう、私はねちょっと複雑な生活をしてきたのよ。実はね…」


おばあちゃんは、私に施設では絶対聞くことのなかった身の上話を教えてくれました。

大切に思った人とは、結ばれることがなかったこと。
夫婦で起こった様々な問題。
自分の言動で人を傷つけてしまった一生忘れられないという出来事…

ドラマにでもなりそうな経験の数々をさらさらっと話してくれたのです。

これまで、施設の中で昔の話をすることはありましたが、こんなに詳しい話を聞いたのは初めてでしたし、思いがけずに聞かせてもらえたことは非常にありがたかったです。


話をしてくれたおばあちゃんは、いつも他人のことを気遣ってくれる人で、喧嘩の仲裁をしたり、何があっても、そういうこともあるわよ…と、上手に周りとバランスをとって、事態を吸収してくれるような気持ちの寛容な方です。

今回の『苦労話』を聞いていて、こういう経験が、今の寛容な性格に繋がっているのかもしれないな…そう思えました。

介護の現場では良くあることなのですが、その人の人生を知れば知るほど今その人がその様である理由が見えてきます。

他人でも家族でも「なんでそんな言動をするんだろう?」「なんでそういう風に思えないんだろう?」
様々な疑問や、時には自分自身に受け入れられない出来事が起こることもあります。

そんな時にヒントになるのが、その人の過去であったりもするんですね。

今回おばあちゃんが、思いがけずに話をしてくれたのも、普段とは違った場所であったこと、二人きりだったこと、など、環境が大きかったのではないかと思います。環境が変われば気持ちも変わります。


皆さんも、たまには時間をとって、ゆっくりとだれかと向き合ってみて下さい。
どこかへ出かけてみたり、公園のベンチで風に吹かれてみたり…すると思いがけない話を聞くことが出来るかもしれません。

施設でも、家族でも、仕事場でも。
環境を変えて誰かと向き合う時間を作ってみませんか?
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  12 2017 08:00
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