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事例137 家族の想い出写真

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実家に帰る用事があり、祖父母の仏壇に手を合わせた時にふと気になったことがありました。 祖父母の仏壇のそばには遺影とは別に、写真立てがあり、そこに祖母の写真が2枚飾ってあります。

なぜ祖母のものだけかというと、まず祖父は元々写真に写るような性格の人ではなく、遺影すら探すのが大変で、40年くらい前にとった船舶免許の写真を遺影につかったくらいです。
なので祖父の写真は無いのです。

しかし祖母は、出歩くのが大好きで友達も多くて、友人や家族などとの旅行写真が沢山ありました。

80年間の祖母の人生で、沢山ある写真のなかでも、私の母はその中のたった2枚を飾っているのです。

その写真は、亡くなる数年前に通っていたデイサービスでレクリエーションをやっている写真です。

実家に帰るたびに見てはいましたが、ふと今回、思ったのです。
『あれ?なんでこの写真なんだろう?』

早速、母に聞いてみたら、こんな母の思いが聞けました。


「なんでこの写真か、と言われたら、そうだなぁ。まずこの写真は、亡くなった後部屋の片付けをしていたらね、何かの隙間からぽろっと出て来たのよ。これを見た瞬間に、うちの母親って前はこんな感じだったな。って、記憶をよみがえらせてもらった感じがしたの。家族の中で人一倍明るくて存在感のあった人が、最期の方は日に日に身体が弱くなって、歩けなくなって、表情もなく、生きる気力も失ってしまったようにぼーっとしていて。そんな毎日を共に過ごしていたから、どんな人だったかを忘れかけてたような気がして、でもこの写真が想い出させてくれたのよ。私が記憶している元気だった頃の母親らしい姿がこれなのよね。」

写真は、デイサービスで書道をしたり、ゲームをやって楽しんでいる姿の写真です。

介護が始まってから自宅では見せなかった、穏やかな表情や、楽しい時間を過ごしている姿がデイサービスにはありました。

母は続けていいました。
「昔の写真はたくさんあるけど、この写真が本当に今記憶に残っている母親なんだよね。介護で辛いこともあったけど、デイサービスで過ごしたほんのわずかな時間でも、母親らしさがあったことが、今となっては嬉しいのよ。」


そう言えば先日、姉の自宅に行ったら、姉夫婦と祖母が並んで手を叩いて爆笑している写真が、写真立てに入れて飾られていました。
その写真は、私が実家に帰った時、姉夫婦と祖母が3人で並んで座っていたのが何となく面白くて、私が撮った写真なのでした。

姉も「これは奇跡の写真だったよね。この笑い顔、こんな風に笑ってたよね。」

姉もまた、祖母の昔を思い出したようでした。

いつまでも、その人らしい姿を忘れずにいたい。
母と姉が写真立てに飾っている写真について、共通の思いがありました。


記憶はどんどん薄れていきます。
こんな人だっと、頭では覚えていても、実際に写真に残っていると、よりリアルに思い出せるものです。

どこかに旅行に行ったりしない限り、自宅にいるときに、家族の写真を撮ることって、なかなかないですよね。

でも、振り返ってみると、懐かしく思い出せるものです。
今は携帯でも簡単に写真が撮れますから、ふとした瞬間を撮ってみても良いかもしれません。

施設で働いている方でも同じですね。
きっと、利用者の家族の思い出に寄り添えるとおもいます。

日常の記録を撮っておく。
少し意識してみませんか?
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  10 2017 08:00
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