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事例133 サービスを利用してバランスの良い在宅介護を

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先日開催された講演会、千葉県民フォーラムでの出来事です。 当日は、夕張市立診療所 元医院長 森田洋之氏、株式会社あおいけあ 代表 加藤忠相氏のお二人が講演を行いました。

加藤氏の講演では、自身の施設で行われている行事や地域との取り組み、それに対する熱い思いを紹介されていました。
生き生きと輝いていた表情をしている利用者の写真とともに、自分の役割をもって過ごしている日常からのお話や、病気を持ちながらも「行きたい!」や「やりたい!」をかなえるというお話が盛りだくさんでした。

質疑応答の時間に、参加者の女性からこんなご質問がありました。
「あおいけあの利用者さんは、とても生き生きとしていて、楽しく日常を過ごしているように思いました。私は母の介護をしています。現在介護サービスを使うことなく、自宅で介護をしていて、十分母のことを思って介護してきたつもりです。しかし、どうしても一つ解決できないことがあるのです。それは母の趣味や、いま興味があること、母ができること、私がしてあげられることは何なのかを見つけることができないのです。どのようにしたら、見つけるとこができるのでしょうか?」


この質問に、加藤氏はこう答えていました。
「ご自宅にいらっしゃる顔と外の顔って、どんな人でも違うと思います。私たちでもそうですよね。もしかしたら、外に出る機会があったり、ご家族と離れて過ごす時間があったりすれば、その方の違う一面が発見できるかもしれません。介護サービスを使わずにご自宅で介護をされているとのこと。安心できる環境で過ごせることはお母様にとってもとても良いことですね。ただ、介護する側のご苦労もあると思います。もし、行き詰ったり、新しい生きがいを探すことに悩まれているのであれば、外とのつながりを作ってみるのも一つです。」

私はずっと介護の現場で働いていますが、加藤氏の言葉は、本当にその通りだと感じていました。

デイサービスで生活相談員をしていたころ、新しい利用者の情報収集にご自宅に伺うと、割と多くのご家族が「うちのおじいちゃんは最近は何にも興味がないんです」というようなことを言います。
しかし、デイサービスに通い始め、施設の菜園を見るや否や、次の利用時にはマイスコップをもって通ってきます。家族は嬉しそうに「デイサービスで、菜園をやっているそうですね!自分のスコップがほしいから店に連れてけって言われて、買ってきたんです。土いじりとか興味あったんですね。」と新たな発見をされたりします。

また、別の家族は、「デイサービスに若い職員さんがいて、キャッチボールをしたんだって喜んでたんです。昔はよく草野球とかやってたんですよ。自分の息子と重ね合わせたりしたのかしら…。」と、本人が楽しい時間を過ごしたことに喜ばれます。

ご自宅では発見できない、できることや生きがいが、サービスを使うことによって見つかることがよくあるのです。
もし、ご家庭で介護や生きがいづくりに悩まれている方がいたら、ぜひ、外に目を向けてみてほしいと思います。
上手にサービスを活用して、本人にも家族にとっても日常に少しでも喜びを増やすことができるよう、バランスのいい介護時間が作れるといいですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  13 2017 08:00
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