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事例131「自治体の活動」から「自主活動へ」

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左から、杜の癒しハウス 文京関口 施設長 柳沼さん
音楽健康指導士 南 瞳さん

音楽健康教室参加者/自主活動 びびき 宮本さんと内田さん


時々、音楽健康指導士として、文京区、台東区、荒川区の介護予防教室「音楽健康教室」のお手伝いをしています。
今回は文京区の介護予防教室の取り組みをご紹介します。


文京区の介護予防事業では、区の施設などで開催される予防教室とは別に、地域の場所(例えば神社や介護施設、カラオケスナック)を借りて音楽健康教室を行なっています。

区の施設を利用した事業では、まだ元気だから「介護予防」と名のついた教室には通いたくない、という方がいたり、引きこもりがちになっている方にどうにかして外へ出る機会を作りたいがなかなか難しい、などの課題があるようです。

そこで、場所も内容も今までとは違った視点から考えた取り組みを実践したい、とのことで、㈱台東第一興商さんが『音楽と健康』をテーマに、区から委託を受けて行なうことになりました。

私はこの教室の講師として、時々お手伝いしています。


参加者の皆さんは「介護予防」や「介護」という言葉にとらわれず、楽しく健康に毎日を過ごしたいという方ばかりで、年齢も60代から90代まで、親子ほどの歳の離れた方々が一緒の教室で、体操や歌を楽しんでいます。

教室は、文京区を4つの地域に分けて、それぞの地域にある4つの場所で行なっています。
今回紹介するのは文京区大塚地区にある、介護付有料老人ホーム「杜の癒しハウス文京関口」での教室です。
区の施設を使わないこの取り組みの中では最初、教室の場所を探すことに苦労したようです。
区として初めてとなるこの取り組みに賛同して下さるお店や施設がなかなか無い中、杜の癒しハウス文京関口では、地域包括ケアシステム(注1)の一環として協力させて下さいと、ご賛同下さったのだとか。

施設長の柳沼さんは
「地域に根ざした施設づくりをしていく為には、地域住民の方にも施設の中を知ってもらう必要がありますが、介護施設の中を知ってもらうことは、元気なうちにはなかなか難しいものです。さらに、地域包括ケアシステムを有効的に機能させる為には、地域包括センターや自治体の取り組みだけでは限界があります。地域で運営している施設や病院、商店など個々の人間が、地域の社会資源として何が出来るかを考えていくことが大切だと思っている。」そうお話しされていました。

(注1)地域包括ケアシステムについてはこちらから



杜の癒しハウス文京関口さんは、このような様々な機会を通して、地域との繋がりを作っていらっしゃる施設です。


音楽健康教室には、15人前後の参加者がいます。
初めの頃は、お互いの人となりが分からないため控えめだった皆さんも、回を重ねるごとに近況をお話ししあったり、情報交換をしてお友達になったりと徐々に距離が縮んでいくのが分かりました。

さらには、教室のあとに一緒にご飯を食べに行って、そのまま仲間同士でカラオケをしにいった、というような話を聞くようになったり、教室以外でのコミュニケーションにも繋がっています。

そして最近、仲間同士でサークルのような活動を始めているというお話を聞きました。
教室以外の日も皆で集まってカラオケを練習したい、という意見があり、「じゃあ、自分たちでグループを作ってみよう」と自主活動をすることになったのだとか。

自主グループの名前も「ひびき」と付けました。
開催場所の確保については、グループの中から代表を決め、杜の癒しハウス文京関口の施設長に、「ひびき」の活動に協力をしてもらえないか、と交渉しに行ったのだそうです。

今では、教室以外にも皆さんで施設に集まって練習をしているそうです。
ひびきの代表の方に話を聞くと、「教室に参加したことがきっかけで、もっと練習したいと思うようになったし、何より、みんなで集まれることが楽しい」そんな風に仰っていました。


「自治体の取り組み」から参加者の「自主活動」へ。
自治体、企業、施設、地域住民が一つの輪になって、お互いが出来ることを出し合いながら『生き甲斐づくり』を支えあっていける、そんな形のひとつだと思います。

今一度、自分の住む地域ではどんな取り組みが行なわれているのか、確認したいと思ったのと同時に、私の親が住んでいる町ではどうなのだろうか?と気になったので、調べてみようと思います。

いつまでも、自分のやりたいことが出来る町で元気に暮らしていて欲しいと思っています。
皆さんの町ではいかがでしょうか?
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  29 2017 08:00
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