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事例129 『ご近所付き合い』について

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グループホームでのお買い物の出来事です。

私の働くグループホームでは、お魚はスーパーではなく、近くの商店街にあるお魚屋さんに行きます。

入居者の女性Aさんと一緒にお魚屋さんに買い物に行ったことがありました。
お店を経営しているのは、60代くらいのとても気さくなご夫婦です。

到着するとお店の奥さんが「今日は新鮮なブリが入ってるよ!煮ても焼いても美味しいからね」と教えてくれました。
Aさんが「いいわね!」と言うと、
「たくさん食べてさ、奥さんも元気でいてくださいよ!」
そんな言葉をかけてもらったAさんは、満面の笑みで嬉しそうです。
その日はオススメのブリを注文し、夕飯になりました。

また少し経って、久々に魚屋さんに買い物に行く機会がありました。
その日は雨だったので、私一人で行ったのです。

すると、魚屋の奥さんが、「おねえさん、施設のスタッフさんね!今日は何がいいかしらね!前来た時はブリを買ってくれたわよね、おばあちゃんと一緒に来て。」と声をかけてくれました。

顔と注文を覚えていてくれたんですね。

お会計をしながら、魚屋の奥さんはこんなことを話してくれました。

「この前あなたと来たおばあちゃん、ずいぶん痩せたわね。3年前くらいからたまたまスタッフの人と来てくれてるんだけど、しばらく見ないと思ってたのよ。この前あなたと一緒に来たとき、車椅子にのっていて、すごく痩せていてびっくりしたの。一瞬分からなかったわよ。」

そう言われて、その時の光景と魚屋の奥さんが掛けてくれた言葉に、Aさんが嬉しそうにしていたのを思い出しました。

「たくさん食べてさ、奥さんも元気でいてくださいよ」

魚屋の奥さんは、Aさんの変化に気がついて、そんな言葉を言ってくれていたんだと思うと、凄くあたたかい気持ちになりました。

確かに、Aさんは一緒に買い物に行った数ヶ月前、転倒していたのです。
歩行は以前より弱々しくなり、とても痩せていて、前はお話ができたのですが、今は「はい、いいえ」と答える程度になっていました。長距離を歩くことは難しいので、車椅子で買い物に行ったのです。


施設にもどり、Aさんにお魚屋さんが覚えてくれていたことを話すと、「ありがとう」と、答えてくれました。それを聞いていた別の入居者の女性が、

「本当にありがたいね、気にしてもらってるのって嬉しいことね。昔はね、こうやって近所づきあいがあったもんでね。最近はスーパーが主流だから買い物ついでに無駄話するってこともあんまりなくなったわね、でもやっぱり話が出来るっていいわよね。」と、昔を懐かしむようなお話をしてくれました。


私たちは、施設の取り組みとして、地域のボランティアさんを呼んだり、地域のイベントに参加したり、各施設で地域交流のさまざまな取り組みをしています。

今回のことがあって、特別なことではなく、日常的にご近所の方々と会話ができたり、助け合ったりすることができると、より素敵だなと改めて思いました。

『ご近所付き合い』が減ってきている昨今ですが、そんな時代だからこそ、声をかけあえるご近所さんとの距離感を上手に保ちながら、繋がりを大切にしていきたいと感じます。


皆さんのお家のご近所付き合いはいかがですか?
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Tue,  20 2017 08:11
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