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事例127 親の働く姿を見せる

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グループホームに入居しているおばあちゃんが、昔の仕事の話をしてくれました。

田舎出身のおばあちゃんは、昆布や海苔を採って、それを加工したりする仕事をしていたそうです。
昆布とりは力仕事で、おばあちゃんは男になんか負けないわよ!という気持ちで仕事したもんだよ。と、当時の威勢の良さを話してくれました。

息子さんが小学生になると、一緒に海に連れて行き、昆布とりの手伝いをさせたそうです。
少しでも質のいい昆布が採れた時には、息子さんを目一杯褒めてあげるんだそうです。
周りの漁仲間から「○○くん!凄いね!そんなに昆布とって!お父さんにも負けないね!」と声を掛けられると、息子さんもいい気分で次の日も昆布採りを手伝ってくれたのだとか。

「こうやって、子供にも自分の仕事を見せたり、ちゃんと褒めてやって手伝わせたりすることによって、親はこんなに大変な仕事をして自分たちを養ってくれてるんだって身にしみて感じると思うんだよね。私も、自分の親の仕事を見ていてそう思ったから。」

そう話してくれました。


この話を聞いていて、ふと、自分は親の仕事をしている姿を見たことがあるだろうか…
と思い返すと、実際無いことに気がつきました。

父母が仕事場でどんな立場で、お客様にどう対応していて、どんな仲間とどういうコミュニケーションをとっているのか。
実際に見ることはありませんでしたが、仕事場の話を良く聞かせてくれました。

その中で記憶に残っているのは、父がタクシー運転手をやっていたときの話です。
タクシーの運転手をやっていると色んなことがあるそうで、観光で来ている人にいいお店や穴場スポットを紹介したら喜んでくれたり。
急いでいる方を乗せて、近道で時間通りに到着した時、とても感謝されたり。
ほろ酔いのお客さんが人生相談をしてきて、それに真摯に答えていたら、泣きながら御礼をされたり。

そういうことを繰り返していくうちに、お客さんの中には、次の利用時に指名をくれる方も出てきたのだとか。

時には、料金未払いで降りてしまう人や、べろんべろんの酔っぱらいで、家が分からず困ってしまった話もあり、大変なこともあるんだなと思いましたが、でも、大変ながらも人の満足を叶えられるいい仕事だなって思えました。

“誰かの役に立つ仕事がしたい”

そんな思いを抱いたのは、父のおかげなのかもしれません。


親として自分の仕事を見せたり、聞かせたり、自分が作った商品や売られている物を見せたり説明することは、子供にとって、とっても印象的ことなんだと思っています。
物や人を大切にする心が育つ、一つの手段でもある気がします。

子供に働いている姿を見せる、聞かせる。
皆さんのご家庭ではいかがでしょうか?
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  01 2017 08:00
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