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事例125 見直したいレクリエーション


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先日、グループホームでレクリエーションについてスタッフ同士で話をしていた際に、これから6月に向かって雨が多くなると、外出の機会も減るし、何か考えたいですね…と言う話になりました。



そんな話をしていて、思い出したことがあります。

2年くらい前になりますが、知り合いが働く入居施設を訪問したときのこと。

私が玄関を開けると、とっても賑やかな声が聞こえてきました。
扉の向こうには人影がちらちら見えていて、歌を歌ったり笑ったり、楽しそうな雰囲気に感じたのですが…。


「こんにちは!お邪魔します!」と賑やかなフロアへと続く廊下の扉を開けると、
廊下を5、6名の入居者がスタッフのかけ声で歩いていました。
一瞬、歩行訓練かな?
と思いましたが、現実は違いました。

長い廊下に一列に並んだ入居者。
自立で歩行できる、又はシルバーカーを押している方もいました。
一番先頭には、スタッフ。

スタッフと一列に並んだ入居者は、彼らの周りを一周取り囲むようにして輪に結んだ紐のようなものを、両手で腰ぐらいの高さに持っています。
いわゆる、小さな子供が電車ごっこをしてあそぶような感じです。

そして、スタッフの「しゅっしゅっぽっぽ…」というかけ声や、「線路は続くよどこまでも」を歌いながら、みんな連なって歩いていたのです。

あまりの衝撃的な場面に、
「すみません、これはなんですか?」とたずねると、知り合いのスタッフが、ニコニコの笑顔で答えてくれました。


スタッフ 
「これいいでしょう!!今日は雨じゃない?だから散歩や外出レクも出来ないし、長い紐があったから、これを巻いて皆で歩いたら楽しいと思って!最近、皆さん足腰が弱ってきたからちょうどいいじゃない!皆さんも笑ってくれてるし、ね!いいアイデアでしょう!」

私  
「歩行訓練ってことですか?でも、幼稚園みたいで。ちょっと…」

スタッフ  
「歩ければいいじゃない!ほら、皆も楽しんでくれてるから!」

私「…」


皆さんがもし、家族が施設に入居していて、たまたま訪問したら、自分の母親が紐を持って「しゅっしゅっぽっぽ…」と歩かされていたら、どう思うでしょうか?
ご本人が、私はこれがやりたくてやっているの!と言えば別ですが、そうでない場合、虐待ともとられてしまいそうな出来事です。

その場では、何も言えませんでしたが、知り合いにはあとでこっそり、やっぱり見た目も良くないし、歩行訓練をするつもりなら、もっと違う形でも楽しんでもらえるやり方があるよ、と話をしました。

知り合いは、日々レクリエーションを考えるのが大変、と言っていましたし、
楽しんでもらうにはどうしたらいいのか悩んでいるとも言っていました。悪気は無いのです。

私からは少しアドバイスとして、
レクリエーションは遊びや楽しみという考えだけではなく、介護予防や社会参加の役割もあると考えたらどうかな。と伝えました。


そう考えると、
雨が続いて外出できない。
入居者のADL(日常生活動作)も低下してきてる。
楽しく何かをしたい。

これの解決方法は、電車ごっこではなく、室内で出来る体操(座っても安心して出来る有酸素運動や出来ないと笑いが起こる脳トレ体操)や、車でどこかへ移動して何かを観賞したり、買い物をしたり。という発想に変わってくるのではないか、と思います。

それを考えると、介護士は、介護技術だけでなく、体操の方法を勉強したり、施設の周辺で室内でも楽しめる場所がないか見つけたり、日々、幅広くアンテナを張って情報を収集することも大切なんだと改めて思います。

介護デザインプロジェクトとして講演する際に、「より良い施設の選び方」として、レクリエーションをいかに充実させられているか、又は努力しているか、も大切な項目ともお伝えしていますし、雑誌やテレビなどでも、施設の取り組みがピックアップされることも増えてきました。

選ばれる施設になる為には、レクリエーションの技術は欠かせないものになってきています。

これから、雨の季節に向けて、どんなレクリエーションを考えられるか、皆さんからも良いレクリエーションがあったら教えて下さいね!
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  18 2017 08:00
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