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事例113 家族、友人、ご近所さん…もしもの時に知っておきたいこと

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美容室に行ったときのことです。
いつも髪を切ってもらっている美容師さんに、突然こんな質問されました。
「あの、、認知症の人にどうやって接したらいいんですかね。」 こちらの美容室には継続して通っているので、仕事の話など互いの話もよくしています。
20代の女性の美容師さんです。


詳しく話を聞くと、こんな事情がありました。

彼女は、両親とおばあちゃんと、4人で暮らしています。
おばあちゃんには、昔から付き合いのある親友(一人暮らし。息子はいるが遠方。)がいるらしいのですが、その親友がだんだんと物忘れがひどくなり、彼女のおばあちゃんの携帯電話に1日に何度も電話かけてくるんだそうです。

はじめは、歳をとったら物忘れするから…と優しく対応していたそうですが、電話の回数が日に日に増えてきて、とっても困っているそうなのです。

一つ約束をすると、その約束の日まで「いつだっけ?」「時間は何時だっけ?」「どこで待ち合わせだっけ?」
それが日に何度も。さらに、こんなに何度も聞いていても当日には忘れて来ない日もあるのだとか。

美容師さんは、おばあちゃんが困っているのをみて、私に相談してきてくれました。


皆さんが友人からこのような質問をされたらどう答えるでしょうか?


一番防ぎたいことは、なんか変だなと分かっていながら何も出来ずにいて、その間に新たなご近所トラブルになったり、詐欺の被害に遭ったり、火の不始末で火災を起こしてしまったりすることです。

そうならないように、然るべき人や場所に情報提供をしなければいけません。

この美容師さんの場合、おばあちゃんの親友には息子さんがいらっしゃいます。もし、息子さんとも面識があり、会う機会が作れるのであれば、「実は…」と、相談してみても良いと思います。


家族と面識がない、またはあっても話をするほどの仲でないのであれば、その地域を担当している民生委員さんに相談して地域包括支援センターなどにつなげてもらうのも手だと思います。


どちらにしろ、行動変化が気になった時期や何度もかかってくる電話の内容と時間などをしっかり記録しておくことが必要です。
症状の度合いを測る目安にもなります。


『親友』という立場上、助けになりたいという気持ちと、変わっていく親友の姿への落ち込みや悲しみ、頼られすぎてしまうことへの困惑…様々な感情が入り混じるのではないかと思います。

さらに、家族や民生委員に情報提供することによって、今までの関係性が崩れてしまうのではないか、という不安もあると思います。


クレームとしてではなく、親友としてできることはしてあげたいけれど、フォローしきれないこともあるということを伝えた上で、良い関係が続けられるようにどうしていくかを話し合えたらいいですね。


ご本人にも、聞いたことをメモを取る習慣をつけるよう声をかけて、自分で思い出してもらうきっかけを作るのも有効なアドバイスかも知れませんね。

上手くきっかけが作れれば、物忘れ外来の様なところを受診して、しっかり判断してもらうことも出来ます。


2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症を患う可能性があるとされています。
家族、親戚、友人や知り合い、ご近所さんが認知症になったら…皆さんが相談にのる番、のられる番かも知れません。


認知症だけでなく、軽度認知障害というグレーゾーンの段階もあります。
どちらにしろ、早期に発見、対策、治療、予防を行うことによって、多くは症状の進行を緩和させることが出来ます。

周囲がいかに本人と関わるのかなど、ご本人を取り巻く環境も、症状の進行に影響します。
現在、小学校などで認知症を取り上げた授業を行っているところも増えており、認知症への理解を小さいうちから深めていく動きもあるようです。


地域が一体となって支えていける社会。
その基礎になるのは、私たちが知識を正しく得ることと、思いやりだと思っています。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  23 2017 08:00
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