介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信中。

メニュー

事例110 残された家族がペットだったら

37a514bc1e4bffa59052e0b9ac2b05bc_s.jpg

先日、NPOの団体で殺処分や捨てられてしまうペット達の保護を行っている女性の話を聞くことができました。
今回はその女性と、女性のお知り合いでひとり暮らしのおばあちゃんのお話です。 女性とおばあちゃんは、以前からの知り合いだったそうです。
おばあちゃんが口癖で行っていた言葉は

「私はね、6人家族なのよ。」

5匹の猫を飼っていたため、そう言っていたんだそうです。
一人暮らしのおばあちゃんにとって猫達の存在は、話し相手であり、色んな気持ちを分かち合える大切な存在だったのだと思います。いつもそばに寄り添ってくれる大切な “家族” だったのです。

元気だったおばあちゃんですが、ある日突然病に倒れました。
そして、そのまま帰らぬ人となったのです。

自宅には5匹の家族達が残されました。

おばあちゃんの親族は、いくらおばあちゃんが大切にしていた猫とはいえ、5匹もの猫を引き取る事ができないため、保健所に引き取ってもらうという判断をしたそうです。

保健所に引き取ってもらうということは、その後誰かに譲りうけられなければ、殺処分が待っていました(注)。

親族の判断を知った、冒頭のNPO団体の女性は、
おばあちゃんが「私は6人家族なの」と口癖にしていたくらい大切にしていたことを思うと、
どうしても保健所に引き取ってもらうという親族の判断が切なく思えてしまって、
迷った末に5匹の猫を自宅に引き取ったのだそうです。

女性は言います。
「ペットも家族の一員。9割の方はそう言います。しかし、1割の方は思い入れがなければモノと同然に思っています。特に今回のお話のように一緒に暮らしていない親族ともなると、保健所へと簡単におっしゃる方々が多いんです。」


この話を聞いていて、確かにかわいそうな出来事だったなとも感じましたが、実際に私がこのおばあちゃんの親族だったとして考えると、確かに親族なんだから突然ペットを飼ってくださいと言われたら、難しいです。

でも、だからと言って保健所に連絡する事はためらわれるような気がします。
では、どうすれば良いのでしょうか?

遺品整理会社の専門家の方によると、遺品整理で伺うお宅にペットがいる事は少なくないといいます。
引き取り手がない場合、殺処分対象のペットや捨てられたペット(特に犬猫)を保護する愛護団体やNPO活動団体、ボランティア団体などが各地域にあり、そこにお願いをするそうです。


ひとり暮らしでペットを飼っている方は、もし自分に何かあったら残されたペットの家族たちはどうするのか、そのことを事前に考えて、親族や友人などに相談しておいたほうが良いでしょうし、また、身寄りのない方であれば、保護団体とのつながりをつくっておいたりすると良いかもしれません。

さらに、親族や友人の立場であれば、故人の思いを組んで、保護団体などに相談するようにしたいですね。

(注)保健所に引き取ってもらうことは、必ずしも殺処分とは限りません。
行政や各団体が一体となって殺処分ゼロを目指して取り組んでいる県や市もあります。
自分が住んでいる地域ではどのような取り組みが行われているのか、しっかり把握しておくことも必要です。


人も動物も、残された家族が幸せに暮らせるように、事前に考えておくべきことがあるんですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  02 2017 08:00
  • Comment: 0
  • Trackback: closed

0 Comments

Post a comment