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事例106 少年の気遣い



グループホームでおばあちゃんと散歩に出かけたときのこと。
途中、少し疲れたから休もうと公園のベンチに腰掛けることにしました。

すべり台とブランコがある、町の小さな公園です。
中央では、中学生くらいの男の子が4人で遊んでいました。

そのうちの2人はグローブをつけてキャッチボールをしていて、残りの2人は、滑り台の上で話をしていました。

私たちがベンチに腰をかけようと歩いていくと、滑り台の上から見ていたひとりの少年が、何やらキャッチボールをしている2人に叫んでいます。
最初は、おばあちゃんも私も、良く聞き取れず、
「若い子は騒がしいね〜。」と言いながら席につきました。

よくよくその子が叫んでいるのを聞くと…
「お前ら、横になってやれよ。横!横!あぶねーだろーが!」

叫んでいた少年は、 私たちが座ったベンチが、ボールを投げる先にあるから、もしキャッチできなかったら、私たちがあぶないだろうと考え、2人に向きを変えて投げろ、と指示していたのでした。


それが分かった瞬間に、私たちはその少年の気遣いに本当にこころ打たれました。
おばあちゃんは、少し遠くにいるその少年に、
「ありがとうねーーー!!」と、声を張り上げて御礼をしたのでした。
少年は、ぺこりと会釈をし、照れくさそうにキャッチボールの仲間に加わりました。

しばらく少年達のキャッチボールをながめていると、話し方や行動から、叫んでいた少年は4人の中でリーダー的存在なのではないか?という感じが見受けられました。それを見ていたおばあちゃんは、こんな話をしてくれました。


「人のことを気遣うことって、教えられて出来るもんじゃなくてね、育っていく環境の中で親や先生や周囲の人が他人を気遣う瞬間を、子供達はちゃんと見ていて、自然とそういうものなんだと感じるんだよ。気遣いや感謝の気持ち、それが身に付いている人にはね、自然と人が集まってくるもんなんだよね。」

“人を気遣うことは言葉で教えられることじゃない”

その言葉を聞いて、何となく子供のことに限ったことではないような気がしていて。
他人の気持ちに対する理解や配慮というのは、沢山の経験、沢山の人との付き合いの中から身に付いていくこともある気がしています。

これからも自分自身がもっともっと学ぶことが出来るんだということを、少年とおばあちゃんから教えてもらいました。

2017年が始まりました。
今年は、どんな人と出会い、どんなことを経験する一年になるのか、今からワクワクしています。
自分自身を高めながら、介護デザインプロジェクトでも沢山の学びがあるといいなと思っています。

施設の現場から事例集を今年もどうぞ宜しくお願い致します!!
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  05 2017 08:00
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