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事例093 定年後の暮らしと楽しみ


私の通っている習い事教室のメンバーと、ご飯をしていた時のことです。
同じテーブルには、2ヶ月後に定年退職を迎える男性Aさんと、すでに退職し趣味に時間をかけている70代の男性Bさんがいました。

お酒も入りほろ酔いのお2人が、これからの暮らしについて語り始めました。
Aさん「いざ、あともう少しで定年退職かと思うと、これからどうしようかと焦りますよ。居場所がなくなる気がしてね。」

Bさん「わかるなーその気持ち。」

私「そうなんですね。“やり切ったなぁ”っていう感覚ではないんですか?」

Bさん「それもないことはないけど、俺の時は、生活にぽっかり穴が開いたような、がっくりくる感覚の方が大きかったなぁ」

Aさん「そう!まさに“がっくり”っていう感じなんですよ。」

Bさん「おれなんて、退職してもう10年以上。年齢を重ねるごとに、一緒にバンドをやっていた仲間も一人一人と減っていって、年に一回の自治会仲間との旅行もなくなって、徐々に人付き合いがなくなっていったよ。出歩くこともめっきり減って、話す人といえば、嫁さんに、うんとかすんとかいうくらい。あとは週一回のこの習い事での先生との会話くらいになってしまったよ。」

Aさん「そうだったんですか。ほんとに習い事やってて良かったですよ。家庭以外との人との接点がなくなるのは、本当に切ないですよね。妻にはこんなこと言いませんがね。」

Bさん「弱音は俺も言わないな。嫁さんとばっかり顔を突き合わせているんじゃなくて、こうやって、習い事を続けて少しでも社会との繋がりを持っていたいと思っているよ。友達のこともそうだけど、年をとるといろんな寂しいことが増えるよ、そんな中で最近一番嬉しいことはね、たまにしか帰ってこない息子とゆっくり酒を呑むことだな。年をとって、余計そう思うようになった気がするな。小子内さんもさ、たまには田舎に帰ってやってよ。きっと、親は楽しみにしてるからさ。」


AさんやBさんのように、定年退職後の暮らしに、実は不安を感じている方も多いのかもしれないと思いながら聞いていました。
でも、奥さんには弱音は吐けないと言うのがその年代の男性らしいなとも、思ってしまいました。

私の父親の年齢は2人のちょうど間くらい。
娘の気持ちになって聞いていたら、田舎に帰って顔を出そう、と思えました。

年をとると仲間も、人付き合いも減っていく、そんな中で家族、特に子供や孫との時間が楽しみに感じるのは、ごく自然な事なのだとも思えました。

AさんBさんの会話から、家庭では聞けない本音を聞いたような気がします。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  06 2016 08:00
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