介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信中。

メニュー

事例090 口腔ケアでの注意点


口腔ケアについてのお話です。
口腔ケアとは、口まわりの健康を保つ為に行なうケアのことです。
デイサービスなどの通所施設ですと、昼食後。
入所施設ですと、モーニングケア、昼食後、就寝前に口腔ケアを行ないます。

歯垢や歯石、舌苔(ぜったい)等で口の中が汚れていると、細菌が繁殖して粘膜を傷つけ、ウイルスなどが体内に侵入しやすくなってしまいます。
また、細菌が肺に入ってしまうと、「誤嚥(ごえん)性肺炎」の発症にも繋がってしまいます。
きちんと口腔ケアを行なうことによって、口の中を清潔に保ち、口腔機能の低下を予防し、いつまでもご自分の歯で健康に過ごすことが出来るようになります。


私たちにとっては、歯磨きは日常的な動作で、何の迷いもなく出来る動作ですが、高齢者の場合、口腔ケアが難しい場合があります。

例えば、 口を開けられない、開けてくれないこともあります。
・顎(がく)関節症や意識障害などにより、口を開けられない場合
・ケアする人への不信感や口臭などが気になり、心理的に口を開けたくない場合
・認知症の症状などで理解が出来ない場合
などです。

このような場合に、本人が出来ないからといって、無理矢理歯ブラシを口に入れたりすると、症状を悪化させてしまったり、信頼関係を失ってしまったりします。
きちんと医師の指示を仰いだり、歯磨きをすることに不安を感じないような対応をしっかりとって行かなければいけないのです。

さらに、多くの方が義歯(入れ歯)を使用しています。
歯磨き粉は使用せずに、義歯専用のブラシで水洗いします。寝る際は、乾燥で変形しないように、水に入れて保管します。義歯を外したあとの、残っている歯や歯肉、舌の手入れも忘れず行ないます。

口や鼻、胃瘻(いろう)など経管栄養を摂っている方もいます。
口から物を食べていなくても、口の中は汚れます。
咀嚼(そしゃく…よく噛むこと)をしないことは、唾液の分泌量の低下につながりますし、嚥下(えんげ…飲み込むこと)機能も低下します。しっかり口腔ケアを行なって、口腔機能を低下させないような予防をする必要があります。


口腔ケアについては、実際のケアの方法だけでなく、意外なところが見落としがちになっていることが多いです。
それは、歯ブラシやうがいコップの管理です。

いざ口腔ケアをしようと歯ブラシを見てみると、ブラシの間に磨いたときの食べカスが挟まったまま乾燥してしまっていたり、うがいのコップの底はヌメヌメしていたり。

せっかく口の中をキレイに磨いても、汚れた歯ブラシを使ったり、カビのついたコップでうがいしては本末転倒です。
でも、これが意外と気がつかないことが多いのです。

私の勤務していた施設では、哺乳瓶消毒用のミルトンを使用して、浸け置きしていました。
その他には、重曹水に付け置きしているところもあるようです。

基本的には、使用したあと食べカスがついたままになったり、水分を切らずに放置しておくことが一番良くないことです。
不潔な歯ブラシには、数百〜数十億の細菌が潜んでいるとも言われています。
しっかり、汚れを流水で洗い流し、水気を拭き取って乾燥させることが重要です。

お口の健康維持には、道具の手入れにも気を配りたいものです。
食べる楽しみや話す楽しみをいつまでも維持して、身体や心を健康で豊かにしていきたいですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  15 2016 08:00
  • Comment: 0
  • Trackback: closed

0 Comments

Post a comment