介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信中。

メニュー

事例078 介護ロボットのこれから



厚生労働省は、平成27年度の補正予算で、介護ロボットを導入する施設や、家庭への補助制度の予算を確保しました。
具体的にはこちらを参照。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112870.html

介護ロボットと言っても、様々あります。
・介護支援型…移乗・入浴・排泄などで使用される機器(介護用リフトなど)
・自立支援型…歩行・リハビリ・食事・読書などで使用される機器(歩行アシストスーツなど)
・コミュニケーション、セキュリティー型…癒し、見守りなどで使用される機器(おしゃべりロボットなど)

自立支援型の機器は、リハビリや日常生活動作の向上の為良く使用されます。
コミュニケーション、セキュリティー型の機器に関しても、一人暮らしの高齢者や、家族が仕事で日中いないという家庭が増えて来ている為、安心や癒しの為に導入されていることも多いです。

介護支援型の機器に関しては、多くの施設で導入され始めていますが、私は少しだけ抵抗があります。 特に介護用リフトと呼ばれる、移乗介助に使用される機器に関してです。
車椅子からベットに移動したり、ベッドや車椅子からトイレや浴槽に移動したりする時に、シートなどの吊り具に乗せて自動で持ち上げる機器です。

確かに、自力での移乗動作に時間がかかる方、体重の重い方、介護度の高い方に関しては、リフトを使用出来れば介護者の身体的負担は軽減します。
私も実際介護士になりたての時に、麻痺のある男性をベッドから車椅子に移乗しようとした際に、ぎっくり腰になってしまい、それからしばらく腰痛ベルトを手放せない日々が続きました、慣れていないせいもあったと思います。
でも実際、現場では人手が足りなかったりして、一人で何人もの方を移乗させたりしなければならないことがあります。なれている職員であっても、負担がかかっているのは事実です。
リフトを使えば、手元の操作と見守りだけで済みます。

私が抵抗を感じるのには、このような声があったからです。

以前勤務していた施設での入浴介助の際です。
ある、麻痺のある男性に聞いてみました。
私「今度新しく、入浴の為にリフトを導入したのですが使用してみてもいいですか?」
男性「悪いんだけど、俺は荷物じゃねーから。それだけは勘弁してくれよ。」

さらに、立位が困難で、いつも車椅子のおばあちゃんに聞いてみました。
私「例えば、リフトを使えばお風呂に入る為の移動が楽になりますけどどう思いますか?」
おばあちゃん「うーん、まぁ、職員さんは楽になるだろうね。でも吊らされるのは気分いいもんじゃないよね。」

実際に、多くの方がリフトに対していいイメージを持っていませんでした。
ゆっくりでも、自分で入浴したい。
出来れば今まで通りにやってもらえないか。
というのが、利用者の皆さんの声でした。

しかしこれから、色んなことが機械化されていくことに慣れている私たちにとって、介護用リフトのように機械に頼ったりすることは意外に自然と受け入れられるものになっていくかもしれません。
他人に頼るより機械がやってくれた方が、気兼ねなくてよい。そんな意見も増えてくるかもしれません。

いずれにせよ、介護ロボットの開発は今どんどん進んでおり、最近では高齢者や障害者の為の自動運転の車の開発、研究まで進んでいます。介護用リフトに関しても、質の良いものが開発され、私たちの選択の幅も広がっていくことでしょう。

時代の流れに添いながらも、果たしてそれで良いのか、相手の気持ちはどうか、思いやる気持ちを忘れずに活用していきたいものです。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Fri,  24 2016 08:00
  • Comment: 0
  • Trackback: closed

0 Comments

Post a comment