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事例072 施設での避難訓練


神奈川県川崎市のデイサービスで火災事故がありました。

午前1時過ぎ、鉄筋コンクリート造の3階建ての1階部分が焼損、施設にいた60代から90代までの男女4人がやけどをするなどの重傷を負った、という内容です。

1階は、お泊まりデイサービスを行なっている施設のようで、デイサービスからそのまま宿泊していた高齢者3人が寝ており、
2階は、別の団体が運営するグループホーム、3階は賃貸住宅。
火元になった、1階の利用者が煙を吸うなどして病院に搬送されたというものです。
1階で寝ていた方のベッドが激しく燃えていたとのことでした。


この事故を聞いて、以前勤務していた施設での避難訓練を思い出しました。

夜間を想定した避難訓練でした。

施設の一番奥にある入居者の個室から火災が発生したという設定。
歩行可能な方は歩いて火元から遠ざけます。
寝たきりの方や移動が困難な方は、布団やシーツをそのまま引っ張って移動させるという方法をとります。

何度か訓練を行なっているので、スタッフは比較的慣れた様子で参加しています。

訓練なので、利用者役になったスタッフを移動させることにしました。
いつものように、床を滑らせて移動させようとしたその時、思いがけないことが起こりました。

布団が床を滑らない!
いつもは、スルスル滑らせて移動出来るはずの布団が、その日はなぜか滑らないのです。
その為、重たくてなかなか前に進みません。

その理由は、布団にありました。
その日使用したのは、押し入れに入れてあった布団。
ちょうど梅雨の時期ということもあり、布団が湿っており、床も少しべたつきがありました。

急遽、利用者役のスタッフをシーツにくるみスタッフ数名で運ぶことに。
しかし、実際は夜間です。
圧倒的に人手が足りません。
その為、移動時の安全も含め、今後は防火扉の閉まる安全な場所までは、ベッドをそのまま動かすことも場合によって行なうことも追加されました。

いつもやっているから安心、と思っていましたが、時期によってはそういうこともあるんだと思い知らされました。
緊急の際は、思いもよらないことが起こると動揺してしまうことがあります。
次の対処法に行動をうつせるように、しっかり訓練しておくべきだな、と感じました。


火災もそうですが、最近は地震も心配ですね。
ある施設では、訓練だから、とエレベーターを使用しているところがありました。
地震の際は、エレベーターは止まってしまいます。
時間は掛かっても、入居者の方々の身体状況に合わせて、本番さながらに訓練をしっかり実施することが大切な気がします。


消防の方からのお話で、「本番では訓練した以上の力は出ない」と言われたことがあります。
確かにその通りだと思います。備えあれば憂いなしですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  12 2016 08:00
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