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事例070 救急車の到着を待つ間に



2人ぐらしの老夫婦の話です。

奥様はデイサービスに通っていて、旦那様が介護をしていました。
奥様がデイサービスに行っている間は、旦那様は庭で趣味の畑仕事をしていました。
送迎の時には野菜がいっぱいとれたからと、たまにおすそ分けしてくれました。

旦那様は夏には裸の大将のように、ランニングシャツに短パンというようなラフな格好をした、気のいいおじさんといった印象の方でした。

ある日のこと、「家内がぐったりして、動かない」と、旦那様から担当のケアマネージャーに連絡が入りました。
聞き出した症状から、救急車を呼ぶことを提案し、ケアマネージャーも急いで夫婦の家に行きました。

扉を開けると、現れたのはスーツをビシッと決めた旦那様。
ケアマネージャーは目が点になり、質問しました。

ケアマネ 「お父さん!どうしたのその格好!救急車は?おかぁさんは?」
旦那様  「頼んだよ!すぐ来るって!救急車乗るから準備しとけって!」

ケアマネ 「準備って…だからお父さんスーツ来たの?」
旦那様  「そう。初めてだから着替えた方がいいと思って。」

ケアマネ 「スーツに!?まあいいけど、おかぁさんは?」
旦那様  「部屋で倒れとる。」

ケアマネ 「おかぁさんの荷物は?」
旦那様  「まだ。何を持って行ったらいいかわからんし。」

旦那様は気が動転しているのと、初めてのことで何したらいいのか分からず、最初に自分の身なりを整えてしまったのでした。しかも、普段は滅多に着ない一張羅のスーツに…

その後、ケアマネージャーと一緒に準備をし、救急車に無事に乗ったのでした。


旦那様がスーツに着替えてしまったことは、今では笑い話になってしまいましたが、ここで問題なのは、救急車を待っている間に、何を準備したら良いのか分からなかったということです。

突然の時、人は普段出来ることですらも間違えてしまったり、覚えていることすらも思い出せなくなることがあります。
さらに、救急搬送のように気が動転してしまったりすると、思いがけない行動をしてしまったり、対応が遅れてしまい、事態が悪化する場合があります。

そのようなことがないように、救急搬送時に用意しておくもの、あった方が良いものを以下に書き出してみました。


“保険証”
“普段通院している病院の診察券”
“お薬手帳または服用している薬”
“診察代・タクシー代”

さらに、意外と必要なのが
“着替えや靴”です。
救急搬送の場合、パジャマ姿で運ばれたりすることがあります。家の中から搬送するとそのまま担架で運ばれます。処置をして、すぐに自宅に戻ることになった場合、着替えや靴がないと意外と困ります。

また、急性期で手術が必要な場合や命が危険な場合
“家族・友人の連絡先”も必要です。
携帯電話に入っているから大丈夫という方もいますが、いざという時に、連絡しやすいように大切な番号だけは別にまとめておいた方が良いと思います。

保険証や診察券のように、大切なものの保管場所は旦那様は良く知らない、という家も多いようですし、親子でも離れて暮らす家族も多いですから、いざという時に、在処が分からないと言ったこともあるようです。


いざという時に、最低限必要なものや置き場所は、家族で共有しておきましょう!
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  28 2016 08:00
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