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事例068 車の運転をやめさせたい

介護をしている方からの悩みの中で、運転を辞めさせたい、という悩みは多いです。
年をとって判断能力が低下すると、車の運転はより危険になっていきます。

時々ニュースでも、高速道路を逆走して大変な事故を起こしてしまった、などありますし、高齢者の自動車事故は増えています。

事故は自分だけではなく、他の車や歩行者などを巻き込む可能性がありますから、なるべくそうなる前に運転をやめることが重要です。

しかし…
分かってはいても、運転をやめようと自分で見切りを付けることは、意外と思い切りがいることなのです。
長年運転をしている方なら分かると思いますが、車は荷物も運べて便利ですし、車移動に慣れてしまった人が電車やバスなどの交通機関を使うことは、とても煩わしく感じます。

また特に男性で多いのが、車自体やドライブが趣味という方です。
車を自分なりにカスタマイズしたり、友人や家族を乗せてドライブを楽しむことが好きという人も少なくありません。

車の運転は、その人の生き甲斐であったりもします。


まだ大丈夫だろう…


本人はそう思っていても、家族にとっては心配なものです。

デイサービスに通う方のご家族から何度か相談を受けたことがあります。
「なんとか運転をやめさせる方法はないでしょうか?」

「もう歳だし、免許証返した方がいいんじゃない?」
「何かあったら大変だから、更新は辞めよう」などと、なんとか辞めさせようとしますが、本人の「まだ大丈夫」という意志が強く辞めさせられない、というのが大半です。

運転を辞めることを考えてもらうためにはいくつか必要なことがあります。

まず、運転をやめてほしいと訴える前に、公共交通機関や移動支援サービスなどの情報を集めておくことです。
運転が出来なくなって一番困るのは、今まで車で気軽に行けていたところへ行けなくなることです。
車がなくなっても今まで通り行きたい場所に行ける、ということを分かってもらえたら、気持ちも変わるかもしれません。


さらに、家族の手助けも重要です。
交通機関がそろっていると言っても、いままで使ったことがないものを使うのは不安なものです。
例えば、バスにほとんど乗ったことのない人が一人で乗るとなったら、乗り場はどこか、どこ行きに乗ればいいのか、など分からないことが沢山です。最初だけでも家族が一緒に付き添って、不安を解いてあげることが出来たら、一歩踏み出せるかもしれません。

家族の訴えでも、聞き入れてもらうことが難しい場合があります。
その時は、受診の時に主治医の先生に助言してもらったりすると良いと思います。
いずれにせよ、本人が自分で辞めることを決断出来たら、一番良い形だと思います。

運転免許所を自ら警察に「自主返納」すると、運転免許所のかわりに「運転経歴証明書」を発行してもらえます。本人確認の証明にもなります。
さらに「運転経歴証明書」を持っていると、バスやタクシーの割引ができたり、宿泊施設や観光施設の割引ができるようです(自治体、企業、団体によって異なります)。

家族の想いを上手く理解してもらう為に、出来なくなっていることを責めるより、出来ることを準備して伝えられたらいいですね。
Category: 介護の現場から(事例集)
Published on: Thu,  14 2016 08:00
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