介護デザインプロジェクト

このブログでは、
介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

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事例048 先を読む

ある自治体の関係者の話です。

「十数年前から介護予防の取り組みを始め、地域の方に集まっていただく予防教室を始めたのですが…高齢者は増えているのに、教室に参加する人がだんだん減っているんです。そして、その理由として“介護予防”、“介護”という言葉自体に抵抗を感じるという意見があるんです。」

確かに、今はスポーツジムやカルチャーセンター、カラオケボックスなどで開催している健康増進に関しての様々な種類の教室、サークルが力を発揮していて、話題になっています。

若者から年配者までが出入りできる場所で、しかも健康の維持向上や趣味の継続、コミュニティづくりが出来る場所があったら、あえて年齢を意識することなく、そちらに足を運びたくなりますよね。

老いや介護をあえて前面に押し出さずとも、日常生活の中の地域資源を活用しながら、自然とこれからを意識出来る工夫が今は必要になってきているような気がしています。


『おばあちゃんと呼ばれたくない。』
『意識から若々しくいたい。』


高齢者の増加、趣味嗜好の多様化、デジタル化など常に変化する世の中。
10年、20年先に何が人々にウケるのか。
企業の商品開発などは、もっともっと先を読んで開発をしていると聞いたことがあります。
介護の世界も“高齢者のもの”という枠を超えて、世の中を読む力が必要になっている気がしています。


自治体の介護予防事業も、世の中の動きを見ながら変化させていくことが出来たら、参加者減少の問題も解決するかもしれませんね。

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スターツケアサービス様 事業計画会議にて

会場は船堀タワー!!
全国のスターツケアサービスの管理者様などの集まる大きな会議にて、トーク&ライブを行いました。

200名以上の職員の皆様に向けて「介護デザインプロジェクト」についての活動内容や思いをお話させて頂きました。
真剣にメモを取りながら聞いて下さる方、目を閉じてじっくり歌を聴いて下さる方、次はどんな話や歌だろうと身を乗り出して聞いていて下さる方…

終わった後は、たくさんの方々が挨拶に来て下さって「家族会や地域を取り込んだイベントなどで、お話や歌をお願いしたい」とお話を沢山いただき、スターツケアサービスさんの今後の前向きな取り組みに、是非お力になれたらと感じました!

当日は、施設内外での様々な活動報告が行われていて、各企画やフォトコンテストの表彰式があったりととても興味深い内容でした。

最後には社長の講演がありました。
正解はない、自由な発想で物事を考えられる「自律」ということ。
ある出来事から答えを導くことは簡単だけれど、その答えになるようにプロセスを組み立てたりすることってとっても難しい。その両方を上手く組み立てることが出来てこそ「自律」。

得るものが沢山ある一日でした。
スターツケアサービスの皆様、ありがとうございました。

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事例047 チームケアの原点

最近、介護施設で働く友人から、こんな話を聞きました。

20歳の若い女性スタッフが新しく入って来たそうですが、どうやら料理が苦手なんだとか。
友人の施設はグループホームなので、食事は入居者の皆さんにも手伝ってもらいながら、スタッフで持ち回りで作ります。

しかし、その新しいスタッフが食事担当の日は、簡単な食事も作るのに手間取り、時間が遅くなったり、その間の見守りがおろそかになって事故を起こしてしまったりと、落ち着かない雰囲気が流れていたのだそうです。

そんな彼女に向かって、一緒に働くベテランスタッフが、「そのぐらいなんで出来ないのよ、料理ぐらいお母さんに教わって来たらどうなの?」と、きつく言葉をかけたところ、次の日には、「体調不良で、休みます。」と連絡が来て、そして、ついには無断欠勤するようになってしまったのだと。


確かに最近、私の働いている施設でも、食事作りに関してこんなことがありました。
それは19歳の実習生の学生さんだったのですが、「カレーを作ったことありません、だから市販のルーの溶き方がわかりません」「果物の皮を剥いたことがありません」と。
驚きましたが、これも勉強です。
見本を見せて、ゆっくりでいいからやってみて、と体験してもらいました。

今はスーパーでも、冷凍食品やレトルト食品などの温めれば食べられるものがあったり、カット野菜やカットフルーツなどの手間を省いた食品が並んでいます。そんな世の中で育ってきた彼女らに、「なんで出来ないのよ。」とは、言えない気がしています。


介護の仕事は、何もトイレ介助やお風呂介助、食事介助などの身体的な介助だけではないのです。
料理に限らず、掃除や洗濯などの家事仕事全般の知識も必要です。

人の暮らしのお手伝いをするわけですから。


学生のうちからそのことを理解してもらいたいとも思いましたし、若いスタッフの芽を潰してしまうことなく、必要なことを教えられる仕組みを施設ごとに気づくことができたらいいのに、と思っています。何を学ぶことが必要なのかを理解してもらう、気付いてもらうのも先輩の役目でもあるように思います。


それに、私たちが教えるまでもなく、入居者の方から教えられることも沢山あります。
「年の功」「おばあちゃんの知恵袋」みたいな昔の知恵を学んでこそ、今の世の中の便利さや新しさが身に染みるような気もします。

介護の職員不足がより一層叫ばれている昨今、志あって入職してきたスタッフを、心ないほんの一言で失ってしまうのはとても残念です。
それぞれの苦手や困難をフォローし合ったり、上手くいく方法を教えあったりしながら、業務の質と個人のスキルを高めていける職場が築けると良いですね。

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事例046 死ぬまで元気で

私の勤務するグループホームでのお話。

3フロアあるホームなので、各階で担当のスタッフが決まっており、私は2階を担当しています。
時には、施設内でイベントがあるときやシフトの都合上、担当ではないフロアに手伝いに行くこともあります。

1年前、1階のフロアに新しい入居者様が入りました。
関西生まれで、田舎の話をするのが大好き。物腰がとっても柔らかく、優しいおばあちゃんです。
健康に気を遣っていて、太極拳が習慣とのことで、私が1階へ手伝いに行った際にはいつも教えてくれました。
「私は、死ぬまで元気でいたいの。」
おばあちゃんの口癖でした。

その方には、不正出血を繰り返す、ある大きな癌がありましたが、
年齢を考え、本人、家族の意向で、手術は行わずに通院治療をしていました。
1年前に出会った頃は、病気の辛さなど微塵も感じさせない生活ぶりでした。


ある日、何ヶ月ぶりかに1階へ手伝いへ行くと、おばあちゃんの歩行がふらつくようになっていました。でも、ゆっくりご自分で歩いています。
たまにしか手伝いに行かない私のことはすっかり忘れてしまっているようで、私が、「こんにちは!今日は2階からお手伝いに来ました。」と声をかけると、「あらいらっしゃい。よろしくね。」と、いつもと変わりないやさしい表情で迎えてくれました。

私も安心して、今日もおばあちゃんと色々話をしようと、隣のイスに腰掛け、「体調は、お変わりないですか?」と声をかけました。
すると、「ありがとう、私は死ぬまで元気でいたいと思っているのよ。」と、いつもの返答。

(相変わらずだなぁ。)
そう思いながら、ふとおばあちゃんを見た時。

笑顔の頬に、一筋の涙がつーっと流れました。
悲しいような、思い詰めいているような表情では全くなく、いつもの笑顔に涙が流れているのです。

なんだか分からないけれど、胸にぐっと来るものを感じながら、私は話を続けました。
今日は、いつもより少し長くおばあちゃんとの時間を過ごそう。勝手にそう思っていました。

後から、その時すでに「今年いっぱいは持たないかもしれない」と、医師から言われていたことを聞きました。

スタッフは、明らかに弱っている身体を気遣いながらも、おばあちゃんの希望である「死ぬまで元気に」を叶えるために、なるべく他の人と区別をしない、干渉しない、トイレ介助も入浴介助も必要最小限に、出来ることは最後までご自分でやって頂きながら見守っていました。

その時から数ヶ月。
11月某日。
おばあちゃんの人柄に添うように、穏やかに、別れが来ました。
看取ったスタッフの話では、眠るように息を引き取ったのだと。

「私は、死ぬまで元気でいたいのよ。」と笑顔で涙を流したあの時の光景を、私は忘れることが出来ません。

おばあちゃん、私の中のあなたは、元気で優しい表情のままですよ。

安らかに、ご冥福をお祈り致します。

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事例045 何の催し物ですか?

10月31日、ハロウィンの日。

近くの保育園児が可愛い仮装をして、グループホームを訪ねて来てくれます。

「今日はハロウィンです!子供たちが可愛い格好で遊びに来てくれますよ!」

そんな話をしながら、ホームの外に長椅子を出し、日向ぼっこしながら、園児が来るのを入居者のみなさんと待っていました。

すると、その中の90代のおばあちゃんが一言、
「あのー、これはいったい、何の催し物ですか?」

えっ?ここまできて?と、みんなが笑います。


私  「ハロウィンですよ」

おばあちゃん  「カロリー?」

私  「いやいや、ハ、ロ、ウィン」

おばあちゃん  「あー、か、ろ、りんか。」

私  「いやいや、ハローのハロ。ハロウィン!」


なんて、ご長寿クイズのようなやりとりがあって、皆大笑い。

おばあちゃんは子供たちが来ると聞いて、外に出たはいいけれど、いったいなんで?
カロリーってなに?とずっと考えていたようでした。

私「外国からきた催し物でね、秋の収穫祭なんですよ。悪魔払いでもあり、お祭りでは子供たちが“お菓子をくれないと悪さしちゃうよ!”って言いながら、仮装をして地域を練り歩き、お菓子をもらうんです。」

と、ざっくり説明。

おばあちゃん「へぇー。わたしらの時代はそんなのなかったわ。」

周囲のおばあちゃんたちも、うなずいています。


すると、隣にすわっていた、北海道生まれのおばあちゃんが、

「北海道では、そういうのは七夕にやったもんなんだよ。“ローソクもらい”って言ってね。子供たちが“ローソクだせ〜出さないと引っかくぞ〜”っていいながら家を回って、お菓子とかお金をもらうのよ。なんにも出さなかったり、少なかったりすると。ケチンボって言われるのよ。」

北海道に似たようなご当地の風習があるとは、誰も知らなかったようです。


そんな話をしているうちに、園児たちが手をつないで歩いてやってきました。
カボチャの帽子をかぶった子、お姫様のドレスを着た子、スパイダーマンのタイツを着た子、などなど様々に可愛らしい格好で来てくれました。

おばあちゃんたちはそれぞれに、頭をなでたり、まじまじと衣装をながめたり、握手をしたりしながら交流を図っていました。
施設で用意した、ラムネをおばあちゃんたちからもらうと、喜ぶ子供や、初めての交流に緊張して固まっている子供がいたりとそれぞれで、おばあちゃんたちは、優しく話しかけます。

イベントが終わった後、北海道生まれのおばあちゃんは「懐かしかったわー、昔を思い出したわよ」と、嬉しそうに話してくれました。
「カロリーってなに?」と言ったおばあちゃんは、「もう終わっちゃうの?」と、名残惜しい様子で、子供たちの後を見送っていました。


ハロウィンは、日本発祥のイベントではありませんが、似たようなイベントが昔から日本にもあったことを思うと、地域交流が少なくなって来た現代だからなお、価値のあるイベントのような気がしています。

昔からのお祭りや風習は、根ざした地域によって形を変えます。
ハロウィンも、日本なりに今の時代に合った楽しみ方が出来るといいですね。

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第一回 介護の集い【新浦安駅前地域包括センター】

新浦安駅前マーレの1階に《Sフロント》というお店があります。
交通の便が最高のこのレストランで“第一回 介護の集い”が開かれました。

主催は新浦安駅前地域包括センター様。
介護デザインプロジェクトとして、お招きいただきました。

35名以上の参加者の皆様。
自己紹介では、出身地や好きなことをテーマに一人づつご挨拶。
それぞれの介護に対する想いもお聞きすることが出来ました。

・介護をしながら思っていることは、自分の介護している姿や老いる姿を、子供たちにも見せて行きたいということ。
・自分が介護が必要になっても、ここにいる皆さんが助けてくれると思うと安心出来る。
・妻の介護を始めて、家事を全て行うようになって、最初は戸惑いばかりだったが、今は何でも出来ます!
・たまたま隣に座った方に、男の料理教室があると教えて頂きました。今度、行ってみます!

介護デザインプロジェクトとして、私の想いも伝えさせて頂きました。


最後に皆さんと合唱した“ふるさと”は思い出に残ります。
ありがとうございました。

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