介護デザインプロジェクト

このブログでは、
介護の現場エピソードや、現在の社会問題について情報を発信していきます。

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事例031 乾杯は(ノンアルコール)ビールで!

最近は、全国各地で夏祭りや花火大会が行われていますね!

各施設でも、夏祭りなどのイベントで盛り上がっていることでしょう。
そんな、夏のイベントからの出来事。


デイサービスでの納涼祭。
スタッフは、はっぴや浴衣を着用!
お昼ご飯は屋台風に、ホットプレートを数台出して、目の前で焼きそばや、フランクフルトを焼いて雰囲気を出します。一気に電気を使ってしまって、ブレーカーが落ちたのなんのってわーわーいいながらも、賑やかに食事の準備をします。

利用者の皆さんも、午前の入浴の後は浴衣に着替えて頂き、準備万端!

乾杯の音頭です。


音頭をとるのは、地元で自治会の会長をずっとされて来たという、90代のおじいちゃん。
お願いします、と声をかけるとスッと立ち上がり、
「え〜みなさん、僭越ながら乾杯の音頭をとらせて頂きます。本日はすばらしい天気に恵まれ、納涼祭にぴったりのお天気となりました!スタッフの方々が一生懸命に用意して下さったお食事と、お祭りを十分に楽しみましょう〜、乾杯っ!」
と、さすがのすばらしいスピーチ!


さぁ、乾杯はもちろんビール!
と、言っても施設内でお酒はダメなのでノンアルコールビールです。

男性の利用者様はもちろん、女性の利用者様も「ノンアルコールって言ってもビールなんでしょ、私はお酒がダメなのよね…」と、いいながら、「でもせっかくだからちょっと試してみようかしら?」と、雰囲気に流されてノンアルコールビールにチャレンジされていたり。

コップが空になったのに気づいたおばあちゃんが、缶を持ってお酌に行ったり、お酌をされるおじいちゃんも「いやぁ〜、○○さんにお酌してもらったビールはうまいや〜!」と、スナックムードに。
普段じゃ見られない光景です。

しばらくして、あるおじいちゃんをふと見ると、顔が赤くなっていて、話し方もちょっとろれつが回らない感じです。「いや〜久々に旨かったなぁ〜」なんて言って。

(あれ?酔ったのかな??でも、ノンアルコールなんだけどな…)と思いましたが、雰囲気で酔えることもあるみたいですね!


祭りは昔から私たちの楽しみの一つで。
人が集まる雰囲気や、屋台のにおい、太鼓の音色なんかを聞いているだけでなんだかワクワクしてくるものですよね!


今年も皆さんのご家庭や施設で、どんな夏の思い出が作られているでしょうか?

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事例030 妻がキレイになって

あるご夫婦の話です。

私が出会った時は、奥様が旦那様の介護疲れで、鬱になってしまい、日中だけでも旦那様をデイサービスに通わせたいという希望を、担当ケアマネージャーから聞き、ご自宅に訪問した時です。

奥様は、背も小さく細身で、鬱症状のためか顔色が良くなく、声も小さく、うつむいていて、ケアマネージャーと私にお茶をだそうという所作も頼りなく心配になるほどでした。

旦那様は、「私が何のためにデイサービスに行くのですか」と最初は何度も質問をされ、納得がいかない様子でしたが、趣味のお話や、パソコン操作に興味があるとの話で盛り上がり、デイサービスで是非、パソコンの勉強をしませんか?ということで、デイサービスを定期的にご利用されるようになりました。

今まで四六時中、旦那様の面倒を見続けて来た奥様ですが、旦那様が目的を持ってデイサービスに通うようになり、少し病気の症状も和らいで来たのでしょう。

最初は、暗くうつむいていた顔が、少しづつ上向きになっていって、世間話をして下さるようになり。
ある日には、朝の送迎に伺うと、色白のお顔に、口紅を差すようになり。
またある日には、ロングスカートにストールを巻いたオシャレな装いでお見送りして下さるようになり。
ご自分でも「調子がいいんです」とお話しして下さる通り、どんどんキレイになっていきました。

ご主人は、気がついているだろうかと、送迎の車内で旦那様に聞いてみました。

私「奥様最近、体調がよろしいみたいで、ますますおキレイになりましたね。」
旦那様「そうですね。自分でも、気をつけてるみたいですよ。でも、最近テレビでやっていたんすがね…」

私「なんですか?」
旦那様「妻がいきなりキレイになると、その…」

私「ん?」
旦那様「旦那に隠し事があるとかなんとか…」

私「……?あ~~~!!浮気とかそう言うやつですか!?」
旦那様「そうです…」

私「(何て可愛らしいんだろう!と思いながら。)なるほど!心配ご無用ですよ。先日、奥様から聞きました。旦那様が、デイサービスに楽しそうに通っていることが嬉しくて、私もいつまでもうつむいてられないなって思ったんですって!旦那様のおかげですよ!」

旦那様「そうですか。なら良いのですが…」

デイサービスに通うことで、介護する側の気持ちにも余裕ができるという話は良くあります。

奥様がキレイになっていくことで、別の心配事が出来てしまった、旦那様。

ほっと和まされる、ご夫婦の出来事でした。

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ベイシニア浦安市 支え合い研修

7月22日(水)
浦安市総合福祉センターにて開催されている『支え合い研修』の講演をさせて頂きました。
市内に住む皆様が、医療や介護のことを学ぶ会です。
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『施設の現場から介護の未来を考える』をテーマに、歌を挟んだ1時間でした。

実際の事例の中から、認知症の方を介護している家族の気持ちを考えてみよう。ということで、何人かの方にインタビューさせて頂くと、「介護したことないから想像ができない」という方がいらっしゃいました。

実際、何の準備もなく、突然介護に直面してしまった方々は、その、想像もできない世界に飛び込むことになってしまうのですよね。

事例の家族が、どのようなサービスを利用し、どのような思いの変化を経て今に至っているのか。
お話しさせて頂きました。
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特に印象に残ったことは、参加者の方からの質問で
「サービス内容は理解していても、実際にどのような手順を踏めばそのサービスを利用出来るかが分からない。」
など、これからの介護を考え始めた方々が、直面するであろう具体的な質問でした。

たくさんの情報、たくさんのサービスがある中で、それを自分や家族の環境にどう上手く取り入れていけるのか、そこが大事なんですね。
介護が身近にあって、変化にあわせて暮らしをデザインしていくことが出来たら、素敵ですね。

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稲毛海岸「和みかふぇ」様にて 講演♪

場所は、千葉市美浜区 稲毛海岸駅の近くにある
カフェ『どんぐりの木』さん。
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外から見ると新緑の緑が美しく、中に入るとその木漏れ日がなんとも優しい空間です。
トトロの世界のような、木のぬくもりに包まれる素敵な場所で、お話させて頂きました!

「和みかふぇ」さんです!
おこナイトで知り合えたことがきっかけで、この機会を頂きました。
介護している方、施設で働いている方、地域でサロンを開いている方などなど、
たくさんの方々がご参加下さってました!

『施設の現場から介護の未来を考える』

という題で、お話の合間に歌を挟んで一時間半の内容でお送りしました。


ブログで毎週更新している介護現場の事例をいくつかお話しさせて頂いたところ、

「家族の本音の話や、具体的な事例で考えさせられた」
というお声や、
「歌を挟むことによって、事例の内容が胸に沁みるような気がした」
など、ありがたい言葉を頂きました。


介護のイベントで知り合いになった、(株)コクヨの田中様がきて下さり、
開発中の『親子会話ノート』の試作品もお持ちいただきました。
会話の機会を持つことで、未来の家族のあり方を少しずつ想像出来るようなノートです。
写真-6

この機会を下さった、和みカフェの前澤さんに感謝。

そして、この機会で出会えた方々とのご縁を大切にしながら、
介護が特別なことではなく、身近に感じられる世の中になるように、これからも話し続け歌い続けます♪

次回は、22日。明日だ!
浦安市の老人クラブさん主催の「支え合い研修」にて特別講義としてお話しします。

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事例029 おかげさま

ある建具店を営む男性と、ある地域のイベントの打ち合わせで話をしていました。

途中、その男性の携帯電話に電話がかかってきました。
「……はいはい!じゃぁ、今日の昼頃伺いますね!」

通話が終わったあと、私が「お仕事ですか?」と聞くと、「違うんですよ、一人暮らしのおばぁちゃんからです。」とのこと。

私「え?知り合いですか?親戚ですか?」
男性「実はね…一度、その方の家の大きな修理を頼まれたことがあるんですよ。古い家だから、電球の取り替えとか、細かいことをやってほしいことがたくさんあったらしいけど、一人暮らしだから、自分一人じゃ出来ないけど、こんなことで息子たちにいちいち連絡するのも…って、我慢して暮らしていたようなんですよ。家の修理に伺った時に、その話を聞いたから、修理のついでに仕事としてではなく、色々やってあげたんですよ。」

私「それからのお付き合いですか?」
男性「そうです。何か困ったことがあったら、連絡をくれるんです。息子さんは近くに住んでるらしいのですが、私に連絡が来ます。あ、でも今回の電話は、困りごとじゃなくて、いつもありがとうって、みかんを私にくれようとしているんです。とりに来て下さいっていう電話です。」
私「頼られ過ぎることはないですか?」
男性「私も出来る範囲でやってますし、一人暮らしじゃ、放っておけないですからね。ちなみに、息子さんは、私と同い年らしいですよ。」
私「そうですか、おばあちゃんはそのおかげで、安心して一人暮らし出来ているんですね。息子さんのように思っているのかもしれないですね。」
男性「うちの店は、地域で70年近くやらせてもらってます。本当に、おかげさまなんですよ。だから、地域の人の困りごとにちょっとだけ寄り添ってるだけです。こんなことがあってもいいかな、なんてね。」

打ち合わせの後、男性は、おばあちゃんの家に向かいました。

お店が長くやって来れているのは、地域の皆さんのおかげ。
その男性の感謝の気持ちが、一人のおばあちゃんの暮らしを支えている。

地域ならではの支え合いがそこにありました。

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事例028 福祉用具の点検

最近は、福祉用具もデザインや機能性が充実していて、選べる時代です。

先日、あるショッピングセンターの介護用品の杖のコーナーをたまたま通ったら、そのバリエーションの多さに驚きました。

花柄なんて当たり前。
ラメの入った杖やおしゃれなチャームが付いたものもあります。
持ち手は飴細工のような透明で綺麗なものから、ロッケンロール!でおなじみの白髪の有名歌手が持ちそうな、頭蓋骨の形のものも!

そんなバリエーションの多い杖ですが、高齢者にとっては一度使用したら何度も買い換えるというものでもなく、同じものを使い続ける方が多いです。


ある施設を訪問した際に、こんな方がいました。

杖をついている、腰の曲がったおばあちゃん。
ふと、杖を見ると、先端のゴムの部分がすり減って斜めに削れており、地面についた時の杖の角度も斜めで、今にも滑りそうです。
スタッフの方に、「随分杖先が擦りへっていますね。」と声を掛けると、「え?そうですか?」と、気づいていない様子でした。

毎日みていると意外と意識しないものです。

杖のすり減りは、滑って転倒につながるだけでなく、歩行のバランスを崩してしまいます。バランスが崩れると、重心が片方にかかりすぎてしまい、腰痛や膝痛を悪化させる要因にもなってしまいます。

杖は斜めに削れるだけでなく、地面との接地面の溝がツルツルになる場合も有ります。車のタイヤも溝が薄くなると滑りやすいのと同じで、杖先ゴムも定期的に交換が必要です。


杖だけではありません。
車椅子やシルバーカーなどではブレーキの効きが悪くなっていたり、手すりなどでは持ち手部分がゆるくなっていたり。
履いている靴も、靴底が意外と擦り減っていたりします。

毎日使うものだからこそ定期点検を習慣づけることが、ADL(日常生活動作)の低下予防、そして事故防止につながります。

在宅介護では、ご家族が気がついていない場合もありますので、デイサービスや訪問等のサービスで発見した際には、教えて差し上げたいですね。

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事例集027 発見は思わぬところから

梅雨の時期から夏になると、熱中症や脱水症状などが心配されます。
高齢者では特に気にかけなくてはいけないことの一つです。

外は暑いから部屋の中に閉じこもっている、エアコンの風が苦手だからつけないで我慢、衣服の調節が出来ていない、まだ大丈夫だろうという油断…。
色々な要因で知らず知らず脱水になる方が、多いです。

喉が渇いたな、と思ったらすでに脱水症状の始まりです。
意識してこまめな摂取が必要なんですね。


さて、水分の摂取について、以前こんな出来事がありました。

認知症の男性Tさんは、とにかく一日中歩き回っています。
自宅にいてもデイサービスにいても、ほとんど歩いています。
窓や出入り口を見つけると、鍵やドアのぶをガチャガチャ動かし、廊下の先や外へ出ようとします。
本人が歩きたい気持ちは、抑制したくなかったので、可能な限り家では奥様や家族、デイサービスではスタッフが、後をついて見守っていました。

見守らなくてはいけない理由としては、転倒や一人歩きの危険があったらすぐに対応する他に、こんな理由があります。

認知症のため、本人がご自身の体力を把握出来ず、疲れを認識出来ないため、ある程度で声をかけたりしなければ、身体が疲労したまま歩き続けることになり、脱水症状を引き起こす可能性があるからです。

Tさんは、嚥下(食物を飲み下すこと)機能も低下しており、むせ混みがひどくなることから始まり、徐々に水分の飲み込みが難しく、口から流れ出てしまったり、飲み込めずいつまでも口の中にとどめて置いたりするようになりました。

とろみをつけた液体も、ゼラチンで固めたゼリーも、日によってうまく飲み込めない日が続いていました。

色々試した結果、よかったのが飲み込んでも詰まらない大きさの氷を直接食べてもらうこと。
さらに、意外なものが良かったのです。

それは、シェイクです。

その発見は偶然でした。
ある日、デイサービスでたまには外でおやつを食べよう!ということになり、あるショッピングセンターのフードコートに出掛けることに。

でも、ショッピングセンターに向かう車の中で眠ってしまったTさん。
無理やり起こすことは出来ないので仕方なく、車の中でスタッフと待機することに。

元気な利用者様はファーストフード店でアップルパイやソフトクリームを注文していました。
Tさんには何がいいだろう…と悩んだ結果、持ち運びが出来て、飲み込みやすいもの…シェイクはどうかと、チャレンジのつもりで購入してみました。

しばらく車で寝ていたTさん、シェイクがまぁまぁ溶け始めた絶妙なタイミングでお目覚め。

シェイクを渡してストローを口に持っていき、「吸ってみて下さい」と声をかけると、ズルズルゴクゴクと一度もむせることなく、あっという間に全部飲んでしまいました。

水分摂取のし方に困っていた矢先の、思いがけないシェイクとの出会い。
今まで氷をちびちび舐めるしか手がなかったので、嬉しくて、ご家族にも報告。
「あら、うちのお父さん、シェイクなんで、洒落たもの飲めるのね!」と、家族も驚きの出来事でした。

この出来事を、歯科医師会の先生に話してみると、
「氷の砕片は嚥下反射を誘発すると言われています、シェイクは液体よりも氷の食感があるからそれと同じ効果がでたのかも知れませんね。」とのこと。


嚥下力の低下は人それぞれで、一概にこれが良い方法とは言えませんが、ストローで吸うということ、食感や液体のとろみ具合、寝起きで水分を欲していたなど、自然に水分摂取できる条件がそろったんですね。

たまたま、おやつを外に食べに行こうと企画しなければ、Tさんがシェイクを飲めるということを知り得なかったのです。

普段と違うことを行ったことから、新しい発見があった。
視点を変えてみることって、大切なんですね。

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